恋の始まりと終わり【wrwrd!】 (ページ48)

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恋とは何か【osmn】ページ48

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『ごめんなさい…ごめんなさい……』

彼女は泣いていた。
お腹を抱え、半ば過呼吸のようになりながら、この言葉を繰り返す。

ごめんなさい。

『ごめんなさい…ごめんなさい……』

俺は何も答えない。
答えようとも思わない。

俺は彼女を抱きしめたりしない。
抱きしめたいとも思わない。

俺は、言葉を発することも、手足を動かすことも叶わないのだ。

『はあっ、はあっ、こっ、こんなこと、すすっ、するつもりじゃなかったの、
はうっ、わかって…？ごめんなさい……はっ、』

この場合の被害者は俺のはずなのに。彼女は加害者であるはずなのに。

これじゃあまるで、俺が彼女を傷つけているみたいだ。

彼女は自分の鞄から、錠剤と水を取り出すと、一気に口に含んだ。

ゴクン

昨夜、確かに俺は、彼女とバーで酒を飲んだ。
彼女の控えめな性格や、おしとやかな所作に、心を奪われそうになったのも事実だ。
ただ彼女とは、昨日の今日の関係。職業や年齢はおろか、名前さえ知らない。

ここにどうやって連れてこられたのかも、だ。

彼女の目的なんて何でもいい。
しかし、拉致され、体の自由を奪われて尚、黙っているのは納得がいなかった。

拘束したときの彼女の力は弱かったようで、口枷となっていたタオルがずれ、やっと体の一部が解放できた。

「何が目的？」

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