恋の始まりと終わり【wrwrd!】 (ページ39)

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居酒屋の立ち並ぶ通りを抜けて、電車で10分。
駅から家までは徒歩5分。

昔ながらの駄菓子屋とか、シャッター街と化した商店街とか、
俺がガキの頃から通ってたこの道を歩くこの時間が、俺には苦痛だ。

お前と最後に出会ったのは、二十年前か。

見た目は女の子らしいのに、趣味や性格が男勝りで、
いつも俺にくっついて遊んでた。

女の子と遊ぼうと思わへんのかって聞いたことあったけど、
“だって楽しないんやもん！”と笑ってたよな。

お前はほんまに、それで幸せやったんか？

今となっては、確認する術も、知る術もない。

俺、どうしてもお前と比べてまうねん。
どんな美人に、どんなに愛されてたとしても。

お前がいつか、俺の前にふらっと戻ってくるんちゃうやろか、って。
例えば、その先の角から、ひょっこりと顔を出して。

いつもみたいに、
ゲームしよう、って。

「俺、お前のせいで、新しい恋に進めそうにないんやけど、どうしてくれるん？」

そう呟いた俺の言葉は、誰にも聞こえず、暗い空に溶けていった。

今日も明日も、お前の墓参りには行けそうにない。

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