恋の始まりと終わり【wrwrd!】 (ページ11)

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『鬱、お願いがあるの。』【kn】ページ11

『すきだよ』
「ほ～ん」

『愛してる』
「そっか」

『ねえ、抱いて』
「むりやな」

彼は、私を抱かない。

だってほら、新しく買った一張羅のワンピースに、15分かかる編みこみ、
あなたがテレビを見ながら「この子かわええなあ」と言った子がつけていたリップ。

今の私は、お世辞にも美人とは言えないが、町で歩いたら数人は振り向いてくれるだろう。
そんな女に後ろから抱きしめられても、彼は私を抱かないのだ。

『…なんでだめなん』
「お前のことそういう風に見てない。」
『風俗の女の子はそういう風に見てるのに？』
「あれはそういうお店やし、そういう仕事やろ。」

『…私が、嬢になるって言ったら、どうする？』

やっとこっち向いた。

「お前、なに言っとｒ」
『やから私、今日から嬢になるわ。』
「…は…」
『初めてのお客さん、もう決まってるねん。』
「お前！今まで彼氏もできたことないやんけ！」
『…そうやで。はじめては、シッマが良かったから。
でも、もう、…わかった。』
「おい！A！！！！」

シッマに、女として見られたかっただけだった。

シッマの家を飛び出し、初めてのお客さんの元へ、電話をかけた。

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