#ある日の話 その3 part4 ページ16
沈黙が流れる中、黒瀬は気まずさと少しの罪悪感から、『あー…』と声を出した
『…お前は何で、その話したんだ？』
「何か話せって言われたからだ」
『親父のこと嫌いだったよな？』
「あぁ」
『……』
「どうかしたか？」
首を傾げる轟を見て、黒瀬はうなだれたくなった
『(咄嗟に出る話題が、嫌いな親父関係って…)』
コイツの中で俺はどういう存在なんだと、なんだか問いただしたいようなしたくないような、感覚に襲われていた
『……やっぱ、変わったよ、お前』
しかし、黒瀬の口からやっと出たのはそんな言葉だった
「この前も言ってたな、それ」
この前…というのは職場体験を指すものだった
轟の言葉に黒瀬は『そーだなぁ』と言いながらベンチの背もたれに体を預けた
『……羨ましいのかもな』
「羨ましい？何が？」
『そーやって変われるのが』
轟の方を見ずに、黒瀬は続ける
『俺も、いい加減変わらないといけねぇのかもな』
「？？お前も、色々変わっただろ？」
『え？』
黒瀬の言葉にハテナを飛ばしながら、轟はさも当たり前だというように答えた
それに、黒瀬は今度こそ驚きの表情を露わにする
「入学したばっかのころは、黒瀬って他人が嫌いなんだと思ってた」
『いや、流石にそれはねぇよ』
真面目な顔で告げる轟、思わずツッコミを入れる
「あぁ、今なら、そうじゃねぇってわかる。ただ素直になれなかったり、不器用なだけだって、今ならわかる。最初に比べて、黒瀬は俺たちと距離を詰めてくれてるって気がする」
『……』
「それに、職場体験のときも、やっぱ観察眼とか違ぇなって思った。俺には見えてないこととかちゃんと見えてるし、厳しいこととかもちゃんと言ってくれるし、それに……」
『ストップ！！』
言葉を続けようとする轟の口を手で塞ぎ、黒瀬はその先を遮った
その顔を見て、今度は轟が驚きの表情を露わにした
黒瀬の顔は真っ赤に染まっていた
彼は元々、友達がいなかったため、「褒められる」という行為に全く耐性がない
そのため、急に自分のことを褒め出した轟に戸惑いや恥ずかしさが募って、今の状況になった
『お前…もう話すな』
俯きながら弱々しく呟く様子を見ながら、「この状態じゃ話したくても話せねぇよ」と思った轟だったが、次の瞬間口を塞ぐてを掴み、口から離した
アレの続きを言われては自分が持たないと反対の手で再び塞ごうとするが、その手も押さえつけられた
気づけば、2人は至近距離で見つめ合っていた
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▼碧海△(プロフ) - 如月命さん» コメントありがとうございます！戦闘シーンはいつも悩みながら書いているのでそう言っていただけて本当に良かったです…！！ルビの振り方教えていただきありがとうございました！いらないお節介じゃないです！！本当に助かりました…！！ありがとうございます(*´ω`*) (2020年9月20日 22時) (
レス) id: 3a554f6519 (このIDを非表示/違反報告)
如月命(プロフ) - ここへのコメントで申し訳ない、臨場感のある戦闘シーンがすきです...更新待ってます。 あと、ルビ降りは(ruby:モノ:トリック)←こちらをまるっとコピペしていただければ使えますよ...！(いらないお節介だったらすみません、) (2020年9月20日 2時) (レス) id: 82e32d95fe (このIDを非表示/違反報告)
レコリス(プロフ) - ▼碧海△さん» 楽しく読ませていただきました！これからも応援してます！頑張ってください！ (2020年9月18日 23時) (レス) id: 28965d5108 (このIDを非表示/違反報告)
▼碧海△(プロフ) - レコリスさん» コメントありがとうございます！誤字のお知らせ助かります…！しっかりと修正させてもらいました！本当にありがとうございますm(_ _)m面白いと言っていただけて、嬉しい限りです！黒鉄のキャラは作者自身気に入ってるのでそう言っていただけて良かったです(*'ω'*) (2020年9月18日 23時) (レス) id: f5765eb3a5 (このIDを非表示/違反報告)
レコリス(プロフ) - ＃75のところで黒瀬の気持ちも(？)のところが黒線気持ちもになってましたよ。面白いですね！黒鉄君…。ぎゃんかわです。 (2020年9月16日 23時) (レス) id: 28965d5108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：▼碧海△ | 作成日時：2019年3月20日 23時
