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page143 季節外れのあれ ページ3

ーAsideー

A「やろう…って、今ですか!?」

ヒロ「ははっさすがに無理だよね。今は。」

今は……?

ヒロ「明日ビーチでやろうよ!まだ後輩達にショーを見せたことないだろ?」

確かにそうである。だが……

A「でも、そんな急に…」

明日は明日で予定があるはず。それをこちらの事情で変えてしまうのはさすがに気が引けた。

ヒロ「大丈夫、明日は自由行動だったはず。きっとみんな集まってくれるさ。」

集まるって……御披露目する気満々だなぁ…

ノリノリのヒロの気分は崩したくないので、そこは指摘しないことにした。

ヒロ「じゃ、俺から話通しておくよっ。」

そう言い残して部屋を出ていってしまった。
1人でいるのも退屈なため、廊下に出てうろついてみる。皆部屋にいるのか人気がない。
仕方なく外へ向かおうとすると後ろから元気な声が聞こえてきた。

「おーい!何してんだよ。」

振り返ると輝かしい笑顔で手を振るカヅキがいた。カヅキはAの所へ向かってくる。

カヅキ「暇なのか?」

A「あ、はいまぁ……」

正直に答えるとカヅキはニヤリと笑った。なんだか怪しい。

カヅキ「そーか。じゃ、花火しねーか?」

A「花火!?」

まだ春なのに!?

カヅキ「おう!近くの売店に売ってたんだ。沖縄は暑いし、もう夏みたいなもんだろ!行こうぜっ。」

Aの手を引き走り出す。こうなればもう誰も彼を止められない。Aはおとなしくカヅキに続いて走った。
別荘を出て、少し拓けた場所に出るとカヅキは袋をあけ始めた。

カヅキ「よし!やるぞ!ほら、お前の分!」

A「あ、ありがとうございます。」

花火を受けとるとカヅキはニカッと笑った。その笑顔は本当に少年のようである。

カヅキ「このろうそくに火をつけて…っと。準備完了!やっていいぞ!」

その言葉を聞き、火薬の入っている方をそっと火に近づけた。しばらくすると先端からまばゆい光が放たれ、同時に煙があがった。
シューと音をたてながら吹き出る火に目が離せない。

カヅキ「ははっ。綺麗だろ?」

花火が放つ光に照らされて、カヅキの笑顔がより輝いて見えた。

A「はいっ。」

返事をしたところで花火の火が消えた。

A「あ……」

カヅキ「お、じゃあ次だな。好きなの選んでいいぞ!」

火が消えたら次のものを。また消えたらまた次のものを、と繰り返している間、誰も2人の邪魔をする人はいなかった。

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kiko(プロフ) - コノミさん» コノミさん、いつも読んでくださりありがとうございます!本当ですか!とても嬉しいです励みになりますッッどうぞこれからもよろしくお願いしますね♪ (2020年4月9日 18時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
コノミ(プロフ) - めちゃくちゃずっと読んでてめちゃ胸キュンします!!このシリーズは大好きなので 頑張ってください! (2020年4月9日 0時) (レス) id: c314281d85 (このIDを非表示/違反報告)
kiko(プロフ) - えぃかさん» えぃかさん、読んでいただきありがとうございます!好みッッとても嬉しい褒め言葉です……まだまだ下手な文章ですがこれからも見ていただけると嬉しいです♪ (2020年2月11日 2時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
えぃか(プロフ) - めっちゃ好みの小説です!!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2020年2月11日 1時) (レス) id: 12b917d369 (このIDを非表示/違反報告)
kiko(プロフ) - いちごみるくさん» いちごみるくさん読んで頂きありがとうございます!そう言ってもらえて光栄です……(><)嬉しいです頑張ります! (2020年1月13日 14時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiko | 作成日時:2019年3月24日 2時

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