page55 変わり者同士 ページ7
Aはゆっくりとドアを閉める。ヒロの声が聞こえた気がしないでもないが………
ドアに寄りかかり、出掛けていた時のことを思いだす。
A「………(なんか話したいことあったっ………け……)」
考え込んでいるといきなり視界が動き、Aの目は天井を映した。
ドタンと音がして、背中に何かがあたった。
A「(…?…?)」
何が起きたのかよくわからない。するとすぐ
そばからヒロの声が聞こえてきた。
ヒロ「いたた……大丈夫?ごめんね。」
Aはヒロの上に重なって倒れていることに気がついた。慌てて起きあがる。
A「わっ…す、すみません…!」
ヒロ「あははっ。大丈夫だよ。俺の方こそ勝手にドア開けたりしてごめん。」
どうやらヒロがドアを開けたらそのままAも倒れてきた…という事だったらしい。
ヒロ「いや、なんかあったのかなって思って…Aちゃんがああやって飛び出してくることなんてなかなかないからさ。」
A「あ……えっと……レッスン、待ちきれなくて…」
勢いよく飛び出した理由がわからず、思い付いたことを言う。するとヒロは一瞬驚き、笑顔で答えた。
ヒロ「あははっ。君、面白いね。でもレッスンは夜からだよっ。」
ポンっとおでこを叩かれた。
ヒロ「じゃあまた後でね。そろそろ夕飯だし俺も何か手伝いに行ってくるよ。」
そのままヒロはコウジの部屋に向かって行った。
A「………(なんでおでこを叩くんだろ…)」
ほんとに変わった人だなぁ。
そう思っていたが、周りにはAが変わっていると思われているのである………
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作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時