page64 公園で公演 ページ16
ーAsideー
翌日。発表が終わり、安心感が残る中、Aは昼間から3人に内緒で寮の外を出歩いた。
しばらく歩いていると、公園を見つけた。
ベンチとブランコほどしか遊具はないが、敷地は広い。
A「………(練習できそう…)」
Aはまだ運動靴でプリズムショーをしたことがなかったので、試しに少しステップを踏む。思ったより体が動く。
なんだ、普通にできるな…
そう思ったとたん後ろから声をかけられた。
「お姉ちゃん!ぷりずむひょーできるの?」
振り返るとそこには小さな子供とその母親が立っていた。母親はとっさに子供を注意した。
「こらっ…すみません…」
キラキラと瞳を輝かせてAを見ている子供に、Aは優しく答えた。
A「………うん。できるよ。」
母親は驚いた表情をした一方で、子供はさらに瞳を輝かせた。
「やって!見たい!やって!」
突然プリズムショーをやるように頼まれ、少し戸惑ったが、Aの返事は決まっていた。
A「いいよ。」
母親の いいんですか?という問いかけに笑顔を向けた。
「ねぇ!あの曲でおどって!」
A「あの曲…?」
首をかしげていると、母親が音楽を流し始めた。
「あの、多分これだと思うんですけど…」
その曲は聞いたこともない曲だった。でも何故か自信と余裕があり、即OKしてしまった。
少しの間歌詞を確認し、Aは公園の真ん中へと移動した。
A「準備、いいですよ。」
母親に向かって声をかけると、曲が始まった。
知らない曲、のはずなのに、自然とダンスも歌も歌える。自分でも不思議でしょうがなかった。
ショーを続けていると、最初は子供と母親しかいなかった公園に、通りがかった人が集まってきた。曲も盛り上がり。周りの観客も笑顔でAのショーを見ている。
すると上からピアノがふってきた。毎度おなじみの言葉を口に出す。
A「「プリズムラーイブ!!」」
さっきまでの空気が一変し、公園がピアノの音で溢れかえる。Aは地面を強く蹴った。
A「「スタースプラッーシュ!」」
ジャンプをきめると観客の表情もまた明るくなる。
A「「2連続!スターダスト シャワー!」」
着地も完璧にきめ、ショーが終わると公園中に拍手が鳴り響いた。さっきの子供が走りよってくる。
「お姉しゃんすごい!かっこいい!」
その言葉にAはニコリと穏やかな笑みを向けた。
「ありがとう。」
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作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時