【スタミュ】Dream&Love.11

第426幕 ページ28

辰己side

Aが演じ終えた時、稽古場にいる全員が彼女の演技の虜になっていた。

まさに”完璧”。観ていると楽しくなる演技。今度こそ正真正銘の”完璧”だった。

遥斗「A、すごく良かったよ」
A「遥斗くん…」

ずっと台詞が言えなかったAがここまでの成長を遂げることができたキッカケはなんだったのだろう。

星谷「A！やったな！」
那雪「本当に良かった！」
天花寺「よくやったな！」

Aは安心したように無防備な顔をしている。そんな中、ガチャッと音を立て、揚羽が席を立った。

そして、何かに取り憑かれたようにAの元へ歩いて行く。

北原「？」
双葉「どうしたの？」

揚羽はAの目の前に立つと、静かに口を開いた。

揚羽「綺麗だった」
A「え？」
揚羽「今のAの演技、ものすごく綺麗だった」


＿＿その瞬間

揚羽はAの腕を軽く引き、自分に引き寄せ＿そのまま唇にキスをした。

辰己「…え？」

その行動に周りはまたざわつき始める。しかし、一番驚いているのはAだ。


A「え、なんで…？」
揚羽「したくなったからした。ダメなの？…僕も自分のこの感情はよく分からない」

稽古場が殺気に覆われている。揚羽はそんなこと知る由もなく、Aの手を握っていた。

天花寺「おい！野暮助！調子に乗るなよ！」
虎石「ふざけんな！まじで！」

虎石と天花寺は憤然し、勢いよく立ち上がる。

星谷・那雪「〜〜」
蜂矢「揚羽…？」
空閑「…」

星谷や那雪や卯川は顔を赤くしていた。栄吾は複雑そうな顔でAを見つめる。

鳳「…どういうことなんだ？」
遥斗「…っ」

魚住「お前は男に何をしてるんだ」
双葉「い、いやー、びっくりだな」
早乙女「ありえない…」

南條「なんでAは男にモテるのかねえ」
北原「…許さねえ」

北原は誰よりも怒っているという印象だった。拳を握り、揚羽を思い切り睨みつけている。

この時＿俺は、ようやく自分の気持ちをきちんと理解した。

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RISING STAR vocal.星谷悠太

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那雪透

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