starlight night

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#43 side

「おはようございます」

1日目。声を掛けてみたけれど、完全に無視をされた。


いや、まぁ、そりゃそうだよな…

いきなり知らない男から声を掛けられたんだから、普通の反応だろう。


とは分かっているものの、何故か俺の負けず嫌いが顔を出した。



2日目。

「おはようございます」

めげない俺はまた声を掛けた。




え、私？



そんな反応をして、キョロキョロと辺りを見回した彼女は、

自分に向けた言葉であると理解し、ぺこっと頭を下げた。



会釈、された。


進歩。





3日目。

「おはようございます」


いや、しつこいかよ俺。



彼女は今度は最初から俺を見た。





「おはようございます」




初めて彼女の声を聴いた。



歩いていく後ろ姿を見ながら、一人でささやかな喜びに浸る。





(日常の中の、僅かな変化)

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