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#43 side
それから彼女とは、朝に出会えば挨拶をする仲になった。
物凄い進歩だと思う。
久しぶりの今朝も。そう思って外へ出た。
しばらく遠征に出ていたので、ここの朝の空気が久しぶりだ。
夏が近付いて来たかな…
「あ、今日はいる」
そんな声がして振り向くと、果たして彼女が立っていた。
「あ、おはようございます」
「おはようございます。最近見なかったから」
「あ〜、えっと、しばらく出張に出てたんです」
咄嗟に、野球選手であることを隠している自分がいた。
「出張?若いのに大変なんですね」
「まぁ…、でも楽しいんで平気です」
彼女は一瞬、スっと無表情になった。
え?俺、何か変な事言っただろうか。
「…それは良いですね。お疲れ様です」
「どうも。行ってらっしゃい」
すぐにまた明るい表情になって、軽く会釈をして彼女が去っていく。
初めて会話をした嬉しさと、一瞬の表情への気がかりと。
彼女の事を、もっと知りたくなった。
(微かな予感)
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かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年6月10日 21時) (レス) id: b946a130ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2019年6月10日 21時