スターダスト・ノスタルジア 【N.R】

☆28 ページ28

「お、もいから！」

「えーっと……Aちゃんのお兄ちゃん？」

「お兄ちゃん！やって！」

「…誰がこんなやつの妹なんか、」

「おいまて聞き捨てならんぞ妹！」

「妹ちゃうって言ってるやん！」

「ごめん、兄弟ちゃうんやね」



ああ、クラスの子困らせてる。

どうしよって思ってたら、
廉のこと呼ぶ声。



「永瀬やん！なんでおるんけ」

「やっほー久しぶり！」



同じ中学だった男の子で、
唯一この高校にきたキムラくん。

するっと私から離れて、
仲良く話し始めた。



「Aちゃん、あのイケメンくんとどういう関係なの！」

「ええっと、とりあえず兄弟ではないよ！」

「もしかして、……」

「ん？」

「彼氏？」



「新田」



西畑が、
私の手を引く。

…忘れてた、西畑のこと。

廉がいたから、びっくりしちゃって。




「ごめ、……西畑のこと放ったらかしで」

「……あれが、廉くんとやら？」

「う、ん。なんでいるんだろうね！」

「ふーーん……」

「あのさ、

「廉くんのこと案内してあげたら？」

「でも、西畑は…？」

「あー………俺、委員会の仕事忘れてて。見回りせなあかんこと忘れてた！やから、ごめんな」

「そうやったん！ほんなら、しゃーない…か…」

「ほんまごめんやで！じゃ！」



西畑が走ってく。

一緒に回るつもりだったのにな。
でも、委員会の仕事なら、どうしようもないし。



「ていうか廉！なんで！」



まだキムラくんと喋ってる廉をひっ捕まえる。


改めて向き合ったら、
なんか、違和感。

…また背、伸びた？



「Aの高校の制服姿、初めて見た」

「ちょっと！質問してんねやけど！」

「かわいい。」

「…………え、」


「この髪ゴム、かわいいやん」

「あ！…うん！でしょ、かわいいでしょ！お気に入りなのこれ」



な、んだ…髪ゴムのことね！

私のこと。かと。
思った。はずかしい。

勘違い。
そうだ、そんなわけないのに。

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