スターダスト・ノスタルジア 【N.R】

☆21 ページ21

「よお、元気？」




片手あげて、
もう片方はポケットに突っ込んだまま、

へらりと笑う。






………廉、だ。




「おーいおーいもしもしこちら永瀬！応答せよ！」

「なんで…いるの………」

「夏休みやん。実家帰って来て何が悪いん？」

「そ、ういうんは前もって言ってよ…！心の準備とか……」

「俺が帰ってくるときは心の準備、せなあかんねや」




沈黙。



見下ろしてる私と、
見上げてる廉の視線が、

絡まって。



西畑のときみたいに、逸らそうとするのに
出来なくて。
真っ直ぐな、廉の視線。


………心臓が、バクバク煩い。



そんな不思議な空気を切り裂いたのは、
にゃあって野良猫の声。

ふって廉が私から顔を背ける。





「こんな時間までどこに？」

「……あ……お祭り。」

「へえ、友達ちゃんとできたんや」

「……………う、ん…」




いいんだよね…？

西畑は、親友枠だから…友達、だよね？


男だけど、女みたいだし…

私の、友達、でいいんだよね？





「俺、明後日帰るんだわ」

「はや…」

「まあ夏休み言うても部活あるしな」

「そっか。」

「明日、バーベキューしてくれるらしいで」

「両家族総出？」

「ここの道使って。」

「楽しみやわ。バーベキューなんていつぶり？最後にやったん中1とかちゃう？」




「……今日は曇ってて星みえんなあ。明日は、見えるといいけど」





おやすみ、って廉が家に入ってく。





……最後の、なに。

明日、星みに行くよ、ってこと？



花束をみる。

向日葵が、眩しい。







………廉が、そこにいるみたいだと思った。

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