学園天国(ym×in)

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1人残された中島はまだ鈴木(伊野尾)の事を考えてた。

『昨日、機材を運んでここで最終セッションした時は薮先輩がいて、鈴木(伊野尾)先輩に話しかけるどころか近づけもしなかった。更にはバスケ部の高木先輩も今日のシュート練習の合間にここに居た…。

背格好もほぼ同じ…


まさか…


でもなんであんな変装を…


理由は分からない。


でもさっき聞いた伊野尾先輩のあの声はどう聞いても「鈴木」と同じ。


やっぱり、鈴木=伊野尾


聞いてみたいけど『奇跡の伊野尾先輩』に会えるのか？

特進クラスに行っても、あの薮先輩がいたんじゃ会わせてもらえないよな…ヤマも無下に断られてるって言うし…。

あの2人…いや「有岡先輩」なら口を割るかも…。


『カマかけてみるか？』



その時、空の台車を押して来たのは有岡先輩だった。

中「あれ？圭人は？」

大「降ろした機材繋げてる。俺、分かんねぇから替わったんだ。」

中「そうなんですね。すみません。俺が押しますんで…。」


…嘘だ。本当は岡本に「先輩、駄目です。俺ゆーてぃにこれ以上詰め寄られたら鈴木先輩はいのちゃんって白状させられちゃいます。」と泣きつかれたのだ。

人の良い有岡が

大「まかせて。」

と、岡本と替わってあげたのだ。


キーボードをバラしながら中島は

中「あっ、ハンカチがある。」

大「えっ？」

中「これって鈴木先輩のですよね？」

大「あぁ、多分。」

中「俺、届けますから鈴木先輩って何処に居ます？」

大「俺が渡しとくよ。」

と、手をだした有岡に中島は…

中「あれっ？でもハンカチに『伊野尾』って書いてある」

と、ハンカチを見ながら中島は言う。

大「えっ、ちゃん？」

中島は有岡を顔を覗き込みながら

中「やっぱり、鈴木先輩って伊野尾先輩なんだ。」

有岡はしまった！！って顔をした。

大「いや…ちゃんちゃん！って…」

と、苦し紛れの言い訳も…

中「この前も『ちゃん』って言いましたよね『薮先輩はちゃんのボディーガードって』って事はいつも居ない薮先輩がキーボードの鈴木先輩が居た時だけ居るって事は鈴木先輩をボディーガードしてるんですよね。昨日のセッションには高木先輩まで居た。さっきの挨拶のように…『ちゃん=伊野尾先輩』ならボディーガードに薮先輩と高木先輩が鈴木先輩に付くって事は…。鈴木先輩は伊野尾先輩だ。」

と『お前はコナンかっ！！』って突っ込みを入れたくなる名推理を口にする中島。

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