学園天国(ym×in)

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「えっ？？」と、びっくりして椅子から転げ落ちそうになった山田も立ち上がって舞台を見ると

ふわふわのきのこヘアーに透き通るような白い小さな顔。長い睫毛に縁取られた大きな少し垂れた眠そうな目。男にしては主張の少ない高い通った鼻筋。ふっくらしたピンクの唇…華奢な身体つきなのに、圧倒的な存在感をまとって舞台に立っていた。それは山田がずっと会いたかった『伊野尾』だった…。両脇には薮と高木がいる。

山『うわっっ、すっげぇー綺麗。男…だよね…。」

と、思わず心の声がダダ漏れしてるのに気が付かない山田。

伊野尾がマイクを口元に持って行き、手を挙げて目を閉じると、みんなはシーンとした。

伊「新入生の諸君。これで部活勧誘会は以上だ。入りたい部活は決まったか？」

「「「「「うおぉ〜！！」」」」

と、みんな手を挙げて声を上げる。

伊野尾がマイクを口元に持って行くとまたみんなシーンとなって

伊「1週間以内に第3希望まで書いて担任に提出するように！！」

「「「「うおぉぉぉ〜！！！！」」」

と、ここは動物園かよってくらいの雄の雄叫びだ…。

伊野尾がニッと笑ってマイクを口に持って行くと、躾けられたかのようにみんなは黙って

伊「じゃ、部活勧誘会はこれで終わりにしちゃってい〜のぉ？」

と、伊野尾が耳に手を当ててみんなにマイクを向けると


「「「「「「「おっけぃ！！」」」」」」

にっ〜こり満足そうに笑う伊野尾に会場中からため息が聞こえる。

山『な…なんだ、このノリは…コンサート会場かよっ！！』

しかし、揃ってんな…と、関心する山田の横で両手を合わせてウルウルする知念が居た…

知「あぁ…やっぱり、いのちゃんって『神』」

と、やはり心の声がダダ漏れしている。


すぐ両隣の長身に隠され退場する伊野尾。

去り際、皇室のようなお手振りをする伊野尾。チラッと見えた白い綺麗な手が何処かで見たような手だな？っと山田は思った。

興奮冷めやらぬ知念は山田の方を見て

知「どうだった、生いのちゃんは？」

と、聞いて来た。

山「今のノリは何？」

知「知らないの？去年の3年の生徒会が考えたらしい。いのちゃんは『いのおけい』でしょ、いのちゃんが『いいのぉ？』って聞いたら『おっけぃ』で返すお決まりなんだよ。大体、新入生、いのちゃんに憧れて入った子が殆どだから、みんな知ってるよ。ほぼ『伊野尾教』だからね。僕もその信者の1人！」

山「そんなん知らねぇ〜よっ！！」

と、ぶんぶん頭を振る山田。

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