学園天国(ym×in)

8 ページ13

二「いや、入学当初からこいつの人気は凄かったから…『平成シンデレラ』は箔が付いたって感じかな？」

知「何か僕にできる事があったら言って下さいね。何でもしますから…」

伊「ん〜知念ちゃんって優しい。」

と、知念を抱きしめてスリスリする伊野尾。

二「何だ男同志なのにこの『百合』感は…」

伊「ニノ何か言った？」

と、ジロリとニノを見る伊野尾。

二「いいえ、何にも！？」

と、肩を竦めて言う。

伊「あ〜長々と引き止めちゃってごめんね。気をつけて帰ってね。」

知「伊野尾先輩…

伊野尾がキッと見ると

知「い…いのちゃんは？」

に〜こっり笑って

伊「俺はボディガード来ないと帰れないから…」

知「…本当に大変なんですね」

伊「まぁ、小さい頃からだから慣れてるけどね…」

知「小さい頃って…」

伊「物心ついた時から色々言われたり、いじめられたり、さらわれそうになったり…。でも年中の時ここに越して来て薮と高木が守ってくれてっから…」

と、ちょっと遠くを見たその横顔は儚くて消えてしまいそうだった…。

知「僕、家が空手の道場やってて黒帯なんで、いのちゃんの事守りますよ」

伊「えぇ〜こんな可愛いい顔して『黒帯』なのぉ〜！！？？」

知「はい。僕も子供の頃から顔の事で色々言われて、小さいし、親が自分の身は自分で守れってやらされたので。」

圭「そう！ちぃちゃんは小さくて可愛いいからって手出すと痛い目見ますよ！俺、何人も倒されてんの見た事ある。」

伊「…俺も人任せじゃなくて何か習っとけば良かったかな…」

と、ひ弱な腕を曲げて普通は出る力こぶの所をもう一方の手でぷにぷにしてる。

知「せんぱ…いのちゃんはそのままでいいですよ。僕、実は随分前にいのちゃんを電車で見た事あるんです。綺麗な人だなぁ〜って思って見てたら変な人に絡まれて助けに行こうか迷ってたら『うっせぇな、おっさん！！どこに目ん玉つけてんだよっ！！俺は『男』！！何なら見せようかっ！！男誘ってんじゃねぇ〜よっ！！この変態！！』って綺麗な顔してすっごい言葉使いでそのおじさん怯んじゃって、周りの人も駅員呼びましょうか？って騒ぎになって、そのおじさんはすぐ降りちゃったんだけど、いのちゃんはみんなに『騒いでごめんなさい。助けてくれてありがとう』って頭下げて微笑んで、周りの人もみんな『大丈夫？』なんて声掛けてくれてて…

9→←7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す