伊野尾杯【挫折編】4 (伊野尾争奪戦×in)短編集

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俺は涙でぐちゃぐちゃになった伊野尾を抱きしめて、ずっと言わなきゃいけない言葉を口にする。



薮「全部、伊野尾のお陰だよ。ありがとうな…」

伊「ちが…っ、俺は何にもしてない…。やぶっが頑張ったんだ…」

薮「そんなことないよ。俺は肝心な時はいっつも伊野尾に頼ってさ…お前はなんでも1人で決めてたのに…」

伊「それは違う。薮は最年長でグループを背負ってるから、大変なんだよ。俺は中間でいてもいなくてもいいような存在だったから、通えたし、卒業できたんだ」

薮「それこそ、違う。お前だってすっげぇ頑張ってたのをみんな知ってる。いつも勉強なんかしません！…って顔してたくせに、卒論時だけはなりふり構わずにやってただろ？日に日に目の下のクマが酷くなって、青白くなって痩せこけてって…だけど、俺達ではなんにもしてあげらんないから、見守ることしか出来なかった。一言も愚痴らず頑張ってたのをみんな知ってる。だから、みんなお前を尊敬してるんだ。俺もそれを見て、俺も頑張らなきゃ…って思った…んだけど…」

伊「２４時間以来、仕事が増えたからな…」

薮「まあ…言い訳になっちゃうけどな…」

伊「…でも、本当っ、良かったな…おめでとう……あっ、水じゃなくて、ワインかシャンパンでも飲むか？」



確か、冷蔵庫に……って言いながらまた冷蔵庫にとてとて行く伊野尾。


キッチンで鼻をかむ音が聞こえた。



真っ赤な目と鼻をしてシャンパンとグラスを持って戻って来た。




伊「シャンパン用のグラスじゃないけどな…」



っと、いいながらシャンパンを俺に開けろ、と、渡して来る。









＊薮さ〜〜ん、【情報番組】おめでとうございま〜す。…って、もう昨日、放送があったんですよね。青い鳥に流れて来たのをちょっとだけ見ました。爽やかで素敵でした。伊野尾さんみたいにビシッとしたスーツじゃないんですね。ちょっとカジュアルな感じでしたけど、素敵でした。これからも頑張って下さい！！できれば、見たいです。

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