其ノ漆拾玖 ページ36
Noside
樋口が部屋を出た後、Aは直ぐに芥川の元へ向かった。
それと、入れ違いでAの部屋を訪れたのは……
��ガチャ……ガチャガチャ��
「彼奴、居ねェのか？」
ポートマフィア幹部、中原中也である。
「(ビデオの記録奪い取ろうと思ってのによ……)」
髪をかきあげながら、中也は思考した。
「(待てよ、これは寧ろチャンスじゃねェか？)」
鍵のかかったAの部屋に、強行突破しようと考えた中也は、扉を蹴破ろうとした。
その時……
「誰だ？」
もう一人、別の人物がAの部屋を訪れたのだ。
中也は、声のした方に顔を向ける。
其処に居たのは、Aの部屋を訪れるにしては、あまりにも幼い少年である。
「……手前こそ、誰だよ？」
「お前、重力使いの中原中也か。」
明らかに年下の少年に、お前呼ばわりされ、中也は、不快感を顕にした。
「だァかァら！手前は、誰なんだよ！」
「嗚呼……自己紹介が遅れたな。
俺の名は黒岩涙香。Aの部下だ。宜しく頼む。」
「Aの部下だァ？そりゃねェだろ。
彼奴に、部下は居ねェ。
つくなら、もっとマシな嘘をつけよ。」
「嘘では無い。疑うなら、Aに聞いてみろ。」
中也は、暫く無言で涙香を睨み付けた。
涙香の真っ直ぐで純粋な目を見て、中也は小さく溜息をつく。
「……判った。取り敢えず、信じてやるよ。
それで？手前は、何しに此処に来たんだ？」
「携帯を置き忘れてしまったみたいでな……
それを取りに来たんだ。」
「今、彼奴は居ねェみてェだぞ？」
「……そうか。」
涙香の前で扉を蹴破るのに、少しばかりの抵抗を覚えた中也は、
「じゃあな。俺も帰って寝る。
手前も早く帰って、寝ろよ。」
ビデオの記録をまた今度にしようと涙香に背を向けた。
然し……
「…………何だよ？」
涙香に服の裾を掴まれたため、部屋に戻る事が出来なかった。
「お前に頼みたい事がある。」
「お前じゃねェよ。」
「……中原。頼みたい事がある。」
「俺は手前より年上だ──」
「俺は手前と云う名では無い。」
「……涙香で良いか？」
「嗚呼。」
「はぁ……聞くだけ聞いてやる。着いてこい。」
小さく頷いた涙香は、服から手を離し、中也の後を追った。
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舞花 ひめ(プロフ) - るぅとさん» 有難う御座います！そう云って頂けると私も頑張れます！これからも応援、宜しくお願い致します。 (2019年8月22日 7時) (
レス) id: 6d7eb9b273 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと(プロフ) - 更新お疲れ様です！！ ご自分のペースでいいので頑張ってくださいっ (2019年8月18日 22時) (レス) id: 4ba8ceef5d (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - いずなさん» 有難う御座います！楽しみにして下さってる皆様の為にも、引き続き頑張って行きますので、これからも宜しく御願い致します。 (2019年7月8日 6時) (レス) id: 052a536090 (このIDを非表示/違反報告)
いずな - この物語面白いです！忙しいと思いますが更新頑張ってください！続き楽しみに待っています (2019年7月6日 2時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います！更新頻度が落ちないよう努力していくので、これからも応援、宜しく御願い致します。 (2019年6月1日 18時) (レス) id: 90e19b9523 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞花 ひめ | 作成日時：2019年6月1日 8時
