其ノ陸拾漆 ページ24
Noside
仰向けに倒れている鏡花。
芥川はその姿を見下ろし静かに語りかける。
「鏡花……其れがお前の選んだ道か？
是迄の労に酬い、楽に殺してやろう……死ね。」
槍の様に変化した羅生門が鏡花を貫こうとしたその瞬間、芥川の目の前から鏡花が消える。
「──！？」
「勝負だ、芥川！」
敦は、抱いている意識の無い鏡花の身体を、そっと甲板に降ろす。
「今となっては奇異なる事だが、貴様とは孰れこうなる気がしていた。」
「懸賞金を取りっぱぐれるぞ。」
「気にするな……最早、貴様を生かして渡す気など無い。」
「お前は許せない。」
「僕とて同じこと。」
睨みあったまま動かない二人。
緊迫した空気は爆発によって破られ、最初に飛び出したのは敦だった。
「羅生門！」
芥川の放つ羅生門を、虎化した腕で激しく殴る敦。
すかさず芥川は羅生門を数本の槍に変え、その切先が次々に敦を襲う。
横に素早く飛んで辛うじてかわす敦は、虎腕の怪力で甲板の一部を剥がし、芥川に投げ付ける。
それを羅生門で粉砕した芥川のすぐ傍らには、何時の間にか敦が居た。
甲板投げの攻撃は陽動だったのだ。
「！」
芥川の横顔を虎の拳の渾身の一撃で殴る敦。
だが──
その打拳は�犖�えない壁�瓩冒砲泙譟�届かない。
「無益。」
「(前にも銃弾を止めた、空間の断裂……！
これがある限り攻撃が届かない！)」
無数の羅生門の束が敦の虎の両腕を捕え、獰猛に伸びる黒い植物のように、そのまま敦の身体を宙へと持ち上げていく。
「！」
「その程度か、人虎。」
「くっ……」
「嬲る趣味は無い。一撃で首を落として遣ろう。」
新たに伸びた羅生門のひとつが、ギロチンのような刃となる。
「呪うならば己が惰弱を呪え。
貴様は探偵社と云う武装組織に属した故に、自らも強いと錯覚しただけの弱者。
その探偵社へも偶然と幸運だけで属しただけだ。」
「今日は随分と良く喋るな。」
「……無口だと申告した憶えは無いが。」
「……お前の云う通りだ。僕は弱い。
けど一つだけ長所がある。」
「何だ？」
「お前を倒せる！」
両腕を人間のものに戻した敦は、羅生門の縛めから解放され、甲板に降り立った。
「(虎化を解いて腕を……！)」
すかさず羅生門が攻撃してくるが、敦は人間離れした動きでそれを躱す。
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舞花 ひめ(プロフ) - るぅとさん» 有難う御座います！そう云って頂けると私も頑張れます！これからも応援、宜しくお願い致します。 (2019年8月22日 7時) (
レス) id: 6d7eb9b273 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと(プロフ) - 更新お疲れ様です！！ ご自分のペースでいいので頑張ってくださいっ (2019年8月18日 22時) (レス) id: 4ba8ceef5d (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - いずなさん» 有難う御座います！楽しみにして下さってる皆様の為にも、引き続き頑張って行きますので、これからも宜しく御願い致します。 (2019年7月8日 6時) (レス) id: 052a536090 (このIDを非表示/違反報告)
いずな - この物語面白いです！忙しいと思いますが更新頑張ってください！続き楽しみに待っています (2019年7月6日 2時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います！更新頻度が落ちないよう努力していくので、これからも応援、宜しく御願い致します。 (2019年6月1日 18時) (レス) id: 90e19b9523 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞花 ひめ | 作成日時：2019年6月1日 8時
