其ノ陸拾弐 ページ19
Noside
中也が太宰に迫り、激しく連打している。
然し、殴りつけるその右手を素早く掴む太宰。
「!」
次の瞬間、太宰は右拳で中也の鳩尾を鋭く殴るが──
「何だその
「!」
中也の蹴りが、太宰の躯を吹っ飛ばし、壁に叩きつける。
「
手前の格闘術はマフィアでも中堅以下だ。
異能無効化は厄介だが、この状況なら異能を使うまでもねえ。
立てよ、
「……流石はマフィアきっての体術使い。
「(寸前で腕を掲げ防御したのか。
攻撃を読まれているな。)」
「君とは長い付き合いだ。
手筋も間合いも動きの癖も、完全に把握してる。
でなきゃ相棒は務まらない……だろ?」
「…………」
すると次の瞬間、中也は猛烈な勢いで、太宰に向かって跳び掛かる。
「(疾い!)」
「だったらこの攻撃も読まれてるんだろうなあ!
打拳ってのはなあ!こうやって打つんだよ!」
太宰の胸部を打つ中也の一撃。
中也は倒れる太宰の首を掴み、そのまま躯ごと壁に乱暴に押し付ける。
「動きが読める程度で俺に勝てる相手と思ったか?」
「……ぐっ……」
「終いだ。」
中也はナイフを取り出し、それを太宰の喉に突き付ける。
「最後に教えろ。態と捕まったのは何故だ?
「…………」
「だんまりか……
いいさ、拷問の
「……一番は、敦君についてだ。」
「敦?」
「君達が御執心の人虎さ。
君の為に70億の賞典を懸けた御大尽が誰なのか、知りたくてね。」
「身を危険に晒してまで?泣かせる話じゃねえか……
と云いたい所だが、結果がこの態じゃあな。
麒麟も老いぬれば駑馬に劣るってか?
『歴代最年少幹部』さんよ。」
「…………」
「ま、運にも見放されたってわけだ。
何せ俺が西方の小競り合いを鎮圧して半年ぶりに帰ったその日に捕縛されるんだからな。
俺からしたら幸運だったぜ。」
「……くくっ。」
「何がおかしい。」
「いいことを教えよう……明日、『五大幹部会』がある。」
「五大幹部会?莫迦な。
あれは数年に一度、組織の超重要事項を決定する時だけ開かれる会だ。
あるなら疾っくに連絡が──」
「理由は私が先日、組織上層部にある手紙を送ったからだ。」
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舞花 ひめ(プロフ) - るぅとさん» 有難う御座います!そう云って頂けると私も頑張れます!これからも応援、宜しくお願い致します。 (2019年8月22日 7時) (レス) id: 6d7eb9b273 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと(プロフ) - 更新お疲れ様です!! ご自分のペースでいいので頑張ってくださいっ (2019年8月18日 22時) (レス) id: 4ba8ceef5d (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - いずなさん» 有難う御座います!楽しみにして下さってる皆様の為にも、引き続き頑張って行きますので、これからも宜しく御願い致します。 (2019年7月8日 6時) (レス) id: 052a536090 (このIDを非表示/違反報告)
いずな - この物語面白いです!忙しいと思いますが更新頑張ってください!続き楽しみに待っています (2019年7月6日 2時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います!更新頻度が落ちないよう努力していくので、これからも応援、宜しく御願い致します。 (2019年6月1日 18時) (レス) id: 90e19b9523 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞花 ひめ | 作成日時:2019年6月1日 8時