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其ノ参拾弐 ページ34

Noside

場所は、マフィア傘下の高級ブティック。

「矢張り、黒だな。」

「でも、涙くんにはベージュみたいな明るい色も似合うと思うんだよねぇ。」

「Aと同じ、白は如何だ?
貴様の部下になるのだろう?」

「えー!白は駄目だよ!
私を象徴する特別な色なんだから!
それに涙くん、白って感じじゃないし。
……黒と白の間をとって、鼠色ってのもアリか。」

涙香に似合う外套の色について話し合う、Aと芥川。

そんなに大層な話では無いのだが…………

「何の話をしているんでしょう?」

「外套を選んでいるようだな。
芥川の物にしては小さいし……Aのか?」

此の二人にとっては、最重要問題である。

「でも、白は見てませんよね。」

「そうだな。Aは白い服しか着ないようだし……」

「若しかして私服とか?」

涙香の外套を選んでいるとは知らず、そんな憶測を披露する。

因みに、何故樋口と涙香が結託したかと云うと……

芥川が身仕度をすると云って、樋口を追い出した後の話。



「芥川先輩がデート、芥川先輩がデート、芥川先輩がデート、芥川先輩がデート、芥川先輩がデート、芥川先輩がデート、芥川先輩がデート、芥川先輩がデート、芥川先輩がデート、芥川先輩がデート、芥川先輩がデート……」

呪文のようにそう唱え続ける樋口の袖口を涙香が引く。

「あ、貴方は?」

「俺の名前は、黒岩涙香。
今日から、Aの直属の部下になった。」

「Aさんの?」

それにしては幼いな。

……と云うのが樋口の印象だった。

「嗚呼。お前は、芥川の部下の樋口一葉だな?」

「え、ええ。」

涙香に行成(いきなり)名前を中てられ、樋口は少しばかり動揺した。

「それで、如何したんですか?」

実力社会のポートマフィアでは、年下だろうが、上司ならば敬語で接さなければならない。

樋口は、上司であるAの直属の部下……

涙香を目上の人間だと咄嗟に判断した。

手巾(ハンケチ)、落としたぞ。」

「あぁ……有難う御座います。」

ハンカチを受け取った樋口は、溜息をもらした。

「芥川と、Aのデートのことか。」

「はい……」

「跟けるか?」

「はい…………はい?」

「俺も気になるしな。
恐らく、裏手の駐車場から出るだろう。
彼処の出入口だけ、防犯カメラに死角がある。」

涙香は、裏切るために仕入れた知識をフル活用して上司の行動を予測する。

……こうして、二人の尾行は始まったのだ。

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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います!涙香くん、可愛いですよね!私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる!応援してます。更新頑張ってください! (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います!頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです!▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい!応援してます! (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです!!この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます!!これからも、応援してます(´ω`*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞花 ひめ | 作成日時:2019年3月1日 7時

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