其ノ弐拾 ページ21
Aside
少年の奥歯に何も仕込まれて無いことを確認した私は、フードを被って本部に戻った。
勿論、影で拘束した少年を連れて。
表向き居ないとされている私は、普通の拷問室を使えない。
なので、私専用の拷問室を首領に用意してもらっている。
其処に連れて行った少年の手足を、鎖を使って拘束する。
「先ず、名前教えてくれない？」
「敬語、やめたんだな。」
抵抗しても無駄だと分かったのか、少年は意外にも簡単に口を開けた。
「まぁね。
少年こそ、私と対話する気になったみたいだね。
此処に来るまでの道中、一言も話さなかったのに。」
「少年じゃない…………
其れが、俺の名だ。」
……随分と素直なんだね。
「黒岩涙香……黒岩…………涙香。
ん〜、面倒だし、涙くんで良い？」
「……勝手にしろ。」
「なら、涙くん。君の異能力について教えて？」
そう聞くと、途端に涙くんは、口をつぐんだ。
私も特に何も云わないので、長い無言の時間が続く。
……何でだろう？
何時もなら情報を云おうが、云うまいが、拷問コースなのに。
涙くんを痛みつける気にはならなかった。
「…………無惨。」
私が自身の心理について不思議に思ってると、今にも消えそうな声でそう呟いた。
其れが異能力名だと理解するのに、然程時間はかからなかった。
「詳細は？」
「所有物から、相手の情報を得る異能力。」
情報入手に特化した異能力か。
結構、使えそうじゃん。
「その異能力を使って、マフィアに恨みを持ってる奴らをリストアップして、洗脳した……ってトコロかな？」
涙くんは、黙ったまま頷く。
「そもそも、どうして君みたいな子供がマフィアに？
異能力を買われた訳でもなさそうだし……」
ゆっくりと俯いた涙くんは、先刻より暗い声で、
「親がどっちもマフィアの構成員だったんだ。」
そう呟く様に云った。
「ふぅん……その親は？どうしたの？」
「親は、俺がまだ小さかった時に死んだ。」
「まぁ、マフィアの構成員だったんなら仕方ないね。
他に、兄弟とか、親戚とかは？」
私がそう聞くと、涙くんは眉を顰め、唇を強く噛み締めた。
あー、成程。そういう事か。
「涙くん……君がマフィアを裏切ろうとしたのって、脅されたから？」
涙くんの肩が小さく震えるのを見て、私は自身の仮説を確信に変えた。
「多分兄弟かな？
……がどっかの誰かに捕まったって訳ね。」
ほんと、可哀想に…………
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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います！涙香くん、可愛いですよね！私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (
レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる！応援してます。更新頑張ってください！ (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います！頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです！▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい！応援してます！ (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです！！この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます！！これからも、応援してます(´ω｀*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞花 ひめ | 作成日時：2019年3月1日 7時
