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青side
青「しげは、どこが悪いん」
赤「ここ」
そう言ってトントンと左の胸の位置を指差す。
青「しん、ぞう？」
赤「おん！なんて言えばええんかな？、、分かりやすく説明するとな、生まれた時から心臓が普通の人よりもポンコツやねんなぁ」
心臓ってこうでああで〜と説明しようとしてくれているけれど、心臓なんて授業でなんとなく覚えたくらいの知識しかなくて、今まで特に意識もしたこともなかったから、いまいち伝わらない。
戸惑っている俺の様子に気付いたのか、しげははっとした後、張り付けたような笑顔を浮かべている。
赤「、、おれ、かわいそう？」
かわいそう。
そんなことを言われるとは思っていなくて、つい頭に浮かんだことを理解するよりも先にそのまま口から話してしまっていた。
青「そんなこと、あらへんよ。やって、しげ普通やもん。普通に話して、笑って、歩いとるやん。たしかにちょっとお子様すぎるかなとか思うけど、顔も可愛ええし……かわ、あ、いや」
まって、まちがえた。
可愛ええと思ったのはほんまやけど、今それちゃうやろ。
そろりとしげの顔を見ると、ただでさえ丸っこい瞳が見開かれる。
赤「ふっ……」
青「ちょ、何笑っとるん」
赤「いや、やって……んふふ」
青「……帰るわ」
赤「ああ！あかんて！いやや、帰ったらあかん！」
騒がしいやつや。
ひとしきり笑った後、ようやく落ち着いたのか、目の端に溜まった涙を指で拭ったしげは「こんなに笑ったの生まれて初めてかもしれん」と小さくつぶやいた。
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作者名：りく | 作成日時：2023年2月14日 22時
