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青side
赤「りゅーうーせーっ！」
エレベーターを降りたところで、わっ！と突然目の前に現れた。
脅かそうとしたらしい。
なにやら懐かれてしまったのか。
いや、淳太にも絡んでたし、もともと人懐っこいのかもしれない。
赤「今日も淳太のお見舞いに来たん？」
青「おん、そやで。てか何握っとるん？」
赤「これ？ごきぶりのおもちゃ！淳太にいたずらしよう思って持っててん！」
ごきぶりのおもちゃ、なんやそれ。
見た目もやることも幼過ぎて、同い年だと思えない。
真夏で外は日差しが照りつけてると言うのに、目の前のこいつは病衣の上に赤のカーディガンを羽織っている。
裾から出てる指は真っ白で、日焼けを知らなさそうな肌。
そんなやつがごきぶりのおもちゃでいたずらしようとしとる、なんか、ちぐはぐ。
赤「ほんま、淳太と流星って仲ええんやね？連日お見舞い来るとかさ」
青「まあ、、洗濯物とか着替え頼まれておつかいさせられとるのもあるけどな」
赤「優しいんやねえ。ただ今の時間、淳太リハビリ行っとるで。今日から時間変更なってん」
青「そうなんや、知らんかったわ」
それならそうと教えてくれたらよかったのに。
淳太のやつめ。
まあ、俺もくる時間ばらばらやからなんも言えへんのだけど。
淳太に荷物を渡しに来ただけなので、荷物を病室に置いたら帰ってサッカーの練習でもしようか。
そう考えて足を動かそうとしたら、制服の裾をぐいっと引っ張られた。
赤「なあ、時間あるなら俺に付き合ってや」
青「へ、なに？」
赤「やーかーらー、おしゃべりしよ？暇やねん」
出会って二日目の他人が暇であろうとなんだろうと俺には関係あらへん。
なんて、突き放すこともできるけど、見上げて来る瞳にはあからさまに「寂しい」と書いてあって、なんとなく無下にはできんかった。
だから、こいつの病室についていってしまったことにたいした理由なんてない。
ただの気分や。
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作者名：りく | 作成日時：2023年2月14日 22時
