【ジョジョ4部】蠱惑的インクルージョン (ページ4)

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「んん～？ありゃ俺と同じクラスの奴だぜ。名前は確か、天崎……天崎Aだったかな」
「由花子んときもそうだったけど、おめー自分のクラスの女子にやたら詳しくねーか？」
「どういう意味だコラ。あのコは今日日直だったから名前もばっちし覚えてんだよ。俺がノートの提出もたついてたら『ゆっくりでいい』つってにっこり笑いかけてくれてよ。間違いなくイイ子だぜ」
「へー。日直っつうんならビンゴかもしんねェぜ。康一、よく見つけたな」
「い、今ッ、あの子の後ろにスタンドが見えたんだよ！！」
「何ッ！？」

不自然にならない程度に眺めていた背中を、体裁も構わず凝視する。けれど仗助にも、億泰にもそれらしきものは見えなかった。

昼休みと同じように、一瞬で消えたに違いない。

「これではっきりしたな。あの女は間違いなく何かあるぜ」

これからスタンド能力を行使するつもりなのか、あるいはすでに何か仕掛けているのか。

一つ言えるのは、彼女はこの学校に他のスタンド使いがいることを知らないらしい。
特に、仗助達のことは。

もし知っていたら、スタンドの影をちらつかせながら無防備に背中を向けるなんて真似はしないはずだ。

こちらにはスタンド使いが3人も揃っている。
ここで一気に蹴りをつけたいところだが、あいにく放課後の敷地内は下校中の生徒で溢れている。今騒ぎを起こすのは得策ではない。

「あいつが何者なのか、探りを入れてみる必要があるぜ。億泰、お前ちょっと行ってこい」
「俺ェ！？行ってくるって、何すりゃあいいんだよ！？」
「茶ァでも何でもいいから、どっか寄り道させんだよ。そこで尻尾掴んでやろうぜ」
「この中でちゃんと面識あるの億泰くんだけだもんね。それが一番自然だよ」
「おッ、俺ッ、女を誘ったことなんてねェぜ！？自然になんてできねェよ～ッ！！」
「んじゃ予行練習っつーことで」
「頑張れ億泰くん！」
「ひっでェ！」

億泰は腹をくくったようだが、右手と右足が同時に出そうな様子だった。
仗助と康一に別の不安がよぎる。

しかしここで予想もしなかったことが起きた。

億泰が声をかけた直後、彼女の背後に光る影が現れたのだ。時間にして1秒程度。けれど、仗助達が目で捉えるには十分だった。

緊張し通しの億泰は、明後日の方向に視線を泳がせてばかりなのでおそらく見えていないだろうが。