１０...starstar ページ10
｢お待たせ‥‥ごめんねりゅう。｣
トイレに入ると、流星はトイレの隅にうずくまっていた。
｢どうした？大丈夫？｣
流星と同じ目線になって、問い掛けてみると、首を横に振った。
｢ごめっ‥‥なさっ‥‥ぃ。｣
泣いてる‥‥何で‥‥？何で謝るの？
｢めぃ‥‥わく‥かけっ‥てごめっ‥んなさいっ‥‥。｣
｢りゅう‥？｣
｢望っ‥‥いる‥のに‥‥｣
必死で喋ろうとする。必死で心配かけまいとしている。
"望"がいるから。
構ってほしいなんて言えない。
だって流星は、"お兄ちゃん"だから‥‥。
流星は、私にとっても、大毅君にとっても、大事な大事な、"家族"だよ。
大丈夫。大丈夫だから。
言えなかった。
言ったら、私まで泣いてしまいそうで。
そっと、小さな体を抱き締めた。
｢望‥‥は‥ｯ？？｣
｢望は大丈夫。大丈夫だから‥‥。何にも心配しなくていいんだよ？流星は流星。望は望。二人とも大事なの。とってもとっても、大事なの。｣
そう言うと、流星は顔を埋めて、沢山沢山泣いた。
泣いて泣いて、涙が止んだら目をこすって、ゆっくりゆっくり、眠りについた。
｢疲れちゃったよね。お疲れ様。｣
そう言って抱き上げ、立ち上がると、ドアの前には大毅君。
何か‥‥拗ねてない？
｢俺は？｣
｢はっ？｣
｢だから‥。俺は？｣
何？何言ってるの？何を言われたいの？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ψ( ・ ・)Ψ碧海 | 作成日時：2017年3月21日 0時
