36 ページ36
・
材料をすべて切り終えて、後は煮込むだけ。
ほっと息をつくと向こうのチームが何やら
盛り上がっていることに気づく。
『おーっと、京本くんが材料をぶちまけてしまったようです
田中さんは非常に慌ててます』
大我くんはやっちゃったなという表情で苦笑い。
樹は文句を言っているものの、その顔はとても優しい。
｢ふふっ｣
大我くんの意外な一面に笑みが溢れる。
ストイックだから何でもできそうだけど、こういう
抜けてるところもあるんだなあ。
うん、なんかかわいい。
｢Aちゃん、顔すごいにやけてるよ｣
｢うそっ、恥ずかし｣
｢好きなんだね、京本のこと｣
｢う、うん……｣
北斗に言われて、顔に熱が集まる。
手でパタパタ仰いでも冷めそうにない。
＿＿＿＿＿＿好き、か。
最初に会った時の"好き"とは重みが違う。
大我くんの為人を知って、今は心の底からこの人が
愛おしいと思うんだ。
きっともう私は大我くんから抜け出せない。
大我くんへ想いを馳せていると、左手が温もりで包まれる。
周りの人にバレない角度で北斗が私の手を握っていた。
｢どうしたの？｣
撮影中なので小声で話しかける。
北斗の手から顔に視線を移すと、真っ直ぐな瞳が
私を捕らえた。
でもその中心はゆらゆら揺れてる。
｢このまま京本に渡したくないなって思って｣
北斗は伏し目がちに微笑んだ。
低くて心地いい声。
｢北斗……？｣
私は少女マンガのヒロインみたいに鈍感じゃないから
そういうことだって受け取っちゃうけどいいの？
もしさ、と北斗が言葉を繋ぐ。
｢Aちゃんのこと好きだ、って言ったらどうする？｣
蕩けてしまいそうなくらい甘い声だった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 836人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すず(プロフ) - くるみさん» ありがとうございます!!ぜひきゅんきゅんしちゃってください笑これからも楽しんでいただけるように頑張ります！ (2021年3月9日 22時) (
レス) id: 9dcddaef74 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読ませてもらっています！続きめちゃめちゃ気になります。これからも頑張ってください。 (2021年3月9日 14時) (レス) id: eca9d0649e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すず | 作成日時：2020年12月20日 13時
