好きになるなんて番外編 (ページ36)

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「か、仮にあっちにその気があったとしても、私は絶対興味すらわかないよ。だって、樹くんがいるから。私、そんなすぐ人に興味示すような女じゃないもん！」

莉歩がいたら間違いなく、「あんたはもっと興味を持ちなさい」って言われるであろう言葉を堂々と樹くんにぶつける私。

樹くんは私の言葉にキョトンとした顔をしたけどその後に、「それってそんな自信満々に言っていい言葉？(笑)」って、目をクシャっとさせて笑ってくれた。

普段すごくかっこいいのに、笑うと幼くなって少し可愛らしくなる感じ。
私、樹くんのこの顔がすごく好きなんだ。

「だ、だから要約すると、樹くんが不安になる必要はないよってこと…です！」

田「ん、ありがと。Aからこんな言葉聞けると思ってなかった」

「私だって言う時は言うよ」

前に、本当に自分が彼の彼女でいいのか不安になって泣いてた時、『俺の彼女は矢田さん一択だから』って樹くんが言ってくれた。

私だって同じ気持ちだから。
樹くんが伝えてくれたように、私もそれをしっかり伝えたくなった。

今になって恥ずかしさがじわじわと襲ってきてるけど。

田「……戻るか」

「あ、結構時間やばいんじゃない？」

SHRが始まるまで10分を切っていて、一気に現実に引き戻された。

教室棟から1番離れてる所に今いるんだけど、間に合う？

田「……髪の毛、」

「ん？」

「…可愛いって1番最初に俺が言いたかった」

さっきの、隣のクラスの人に言われた時はなんにも思わなかったのに、好きな人に言われるとどうしてこう……胸がぎゅんってなるんだろう。

おわり