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北「頼むから、一緒に居て…。


俺から離れないで…。」



一瞬、何が起きたかわからない。

いつの間にか抱きしめられていた。


「ひろくん…。


離して?」



北「…無理。

離したくない。」


「なんで?」


北「お前がどこかに逃げるから。」


「…なんで私にこだわるの?」


北「…」


「…勘違いしちゃうんだけど。」


北「…」


「毎日、毎日、勘違いしちゃうんだよ。

今まで上からだったのに、いきなり優しくされたりするところとか。

お弁当とか毎回美味しいっていってくるところとか。

出かけた時、デートだよ?って言ってくるところとか。


あと、新婚みたいだねとか、お揃いのもの買おうって言ってくるところとか。




ひろくんって、私の事が好きなのかなって。

でも実際はそんなことなくてさ。

いつも、「さぁね。」って言うじゃん。


…それがすごく嫌だった。


好きって言って欲しかった。」



北「…それは!

…ごめん。」



私は好きだから付き合おうって言われるのをずっと待ってたんだ。

でも、ごめんってことはそういうことでしょ?



「わたしとは、付き合えないってことでしょ?

…じゃあ、人の気持ち揺さぶるようなことしないで。


もう、やめよ?

この関係。」



自分でやめようって言ったのに。

心の中ではすごく後悔してる。


でも、この先のことを考えたら?




北「…とりあえずさ、

俺がどっか行くからお前は家戻れ。


金だってもたないしさ、こんな生活。




…A。


ごめんな。」


そう言うと、私から離れてドアの方へ。


パタンという音と一緒に、ひろくんの姿はなくなっていた。



「…ごめんてなんなのよ。

本当に、私の事好きじゃなかったってことじゃんっ。」



その日も、涙がかれるんじゃないかってくらい泣いた。




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作者名:yun | 作成日時:2017年4月11日 0時

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