Love Me？2 Ki

68 ページ18

.

私はスマホを取り出してひろにLINEすることにした。



『今家にいる？』


いないことは分かってるんだけど、バレないように。

送ってすぐには既読にならず、私はまた外を見ていた。



すると微かだけど女の人の高い声が聞こえる。

そして、うちのマンションの方に歩いてくる人が見えた。




歩き方とかがひろにそっくり。

よかった、終電で帰ってきたんだ。




…なんて安心してたのも束の間。


ひろの後から、女の人が歩いてきた。



多分あの声の人なんだと思うけど…

ひろは数回立ち止まっては先に歩き…ってのを繰り返していた。



｢何してるんだろ。｣

なにか言い合いでもしてる？

てか、あの女の人は誰？



なかなかマンションへと入らないひろ。

もしかして…。



私にはお前だけだなんて言ってたけど、女の人を連れ込もうとしてたりして。

…合鍵渡してるんだから流石にそんなことしないよね。


一気に胸が苦しくなって、もう見たくなくて…。


目をそらそうとした。




なのに。






｢…っ。｣




遠くからでもわかる。


2人のシルエットがひとつに重なったんだもん。



｢…キスとかっ、ありえないっ｣





するとマンションの方へ歩いてくるから、私は急いで戻ることにした。

持ってきたものを全部もって、早く、早くここからいなくなりたい…。




そして、部屋の外に出た。









急いで部屋に入ろうとしたのに、


エレベーターの扉が開いて、




1番会いたくない人が。





北｢…A！？｣


目が合って、私はひろを強く見つめた。



｢…ばいばい。｣



北｢まてっ、ちゃんと話聞いて…｣




小さな声でそう言って、ひろの言葉を遮って、部屋の中へ入った。




…泣きたくなんてなかったのに。




.

69→←67

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す