片思い……2 ページ14
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私、飯田の高校の同級生の北山くんはサッカー部のエースだった。
いつも輪の中心的存在で、卒業してからは大学に行っていい会社に就職した。
私とは大違い。
そんな彼にひかれていったのは高一のときで、そこから片想いの高校生活が始まった。
なんで私みたいな人がこの人と同じグループの一人だったのかって10年以上たった今でも謎で、友達が北山くんと中学からの仲だったからなんだろうけどさ。
無口な私とおしゃべりな北山くん。
…北山くんがいるから無口になっちゃったんだけど。
こんな愛想のない私なのに、遊ぶ時はちゃんと誘ってくれたし、高校生なのに危ないっていう理由で家まで送ってくれたことがあった。
好きで仕方なかったけど、大学に行ってからは会わなくなって、
私の恋はそこで終わり。
忘れることは出来なかったけど、今は普通に恋愛して結婚した。
子どもも出来て、すごい幸せ。
だけどたまたま始めたカフェの仕事でまさかの再開。
私が働くカフェは北山くんの会社のすぐ近くだったみたい。
北｢飯田じゃん！！久しぶり！｣
変わらない笑顔と、年取ったの？ってくらい幼い顔。
好きだった数年間の記憶が蘇ってきたじゃんっ。
私の左手を見ると、
北｢…そうだった、結婚したんだったよな？
おめでとう。ごめんな、遅くなって…。｣
｢私こそ、連絡してなかったから。｣
北｢…結婚したんだな。｣
｢うん…。｣
｢幸せになれよ？｣
って。
幸せだよ？
でも今北山くんと再会して変な感情でおかしくなりそう。
北｢俺さー、高二の時さ、
…なんでもないわ。
また来るな！｣
そう言って仕事に戻る姿がかっこよくて、
｢あの頃なんだったの…？｣
さっきの一言が忘れられなかった。
もし、絶対ないけど、昔好きだったなんて言われたら今の私はどうするんだろ？
私も好きだったって伝えると思うけど、今でも忘れられないよなんて…言えないっ。
左手の薬指見ながら、あの頃もし気持ちを伝えてたら私のこと意識してくれてたのかなとか考えてしまった。
…今は旦那も子供もいるんだからダメダメダメ！
でも、北山くんはやっぱり素敵な人だなぁって。
あのころに戻ることが出来たら、もっと話しをして、仲良くなって、私のこと気になってくれないかなぁ。
好きですって伝えておけばよかった。
今更会ってこんな感情になるくらいなら告白して振られてた方がましだよっ。
…まだ好きなのかな、私。
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作者名：yun
| 作成日時：2017年12月16日 8時
