無宗教の私の印象/カナア・ヴァンルージュ ページ5
カナア・ヴァンルージュ
今回の主人公の子のテンプレです
＊＊＊
私はイヴィル教信者、教徒でも無く、他の宗教の教徒でも無い。
所謂『無宗教』、どの神様も今は信じていない。
だからイヴィル教信者の多いこの学園では少し肩身の狭い立場でもある。
それでも私は【イヴィル教概論】を受講する。
理由は、自分が一生掛けて、お祈りをする宗教を見つける為。
この事をイヴィル教信者の人達に話すと入りなさい、と言われるんだけどね。
でもこれまで無宗教なのは理由が理由。
そろそろ見つけないと生きる意味を失いそうだから、宗教を見つけたい。
そんな事を思っているうちに、イヴィル教概論の講義室まで来てしまった。
始まってもおかしくない時間なので早く入る。
そうしたら、ジゼラ先生も直ぐに入ってきて授業が始まった。
「〜〜〜〜〜〜」
ジゼラ先生が書く板書を自分なりに写す。
ジゼラ先生が板書していない部分も自分なりにノートに書く。
イヴィル教信者にとっては普通かもしれないけれど、私にとっては違うから。
なんやかんやで90分の講義も終わり、みんなバラバラと講義室を出て行く。
私は、ジゼラ先生に聞きたいことがあった為、先生を呼び止めた。
「先生、ジゼラ先生。少しお時間よろしいですか？」
「なんでしょうか。インペリアル寮のカナア、でしたかね。」
「そうです。私の名前と寮を覚えて頂けて嬉しい限りです。」
正直吃驚した。
「僕の講義を受講している学生の名前は覚えていますよ。貴方は特に、無宗教なのに僕の講義を一生懸命に聞いていたので、不思議に思っていましたよ。」
「そうですよね。私は無宗教なので、イヴィル教の事がよく分からなくて質問したいのですけれど＿＿」
そうして何個か質問した後、最後の質問をした。
「ジゼラ先生は私の事をどう思っていますか？」
「真剣に講義を受けている貴方の姿は好印象ですよ。僕は、貴方の事は一人の生徒として大事に思ってますよ。」
「そうなんですね！」
「ただ、貴方が先生、と呼ぶのには少し不慣れですけれどね。大体の学生は大司教様、などと呼びますから。」
「ふふっ。私にとって先生は、【イヴィル教の大司教様】であって、【自分の宗教の大司教様】では無いのです。だから、私には『先生』という言葉が1番近いのです。」
そう言って私は、イヴィル教概論の講義室を後にした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流離いのsecret(プロフ) - キューブさん» お話拝見しました〜！あたたかく素敵なお話ですね……！ラクーナさんの家族思いが伝わります。ご夫婦のイヴィルに対する気持ちの違いが深いですね……！ (2021年9月12日 18時) (
レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新完了しました！なんだかよく分からない締め方になってしまいましたね… (2021年9月11日 19時) (レス) id: 8222095e45 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - to:叶様 うちの大司教を使って頂きありがとうございます〜！寮と名前を言い当てるくだりは、前ページのお話を汲んで下さったのでしょうか！無宗教であるカナアさんにとって大切な宗教が見つかると良いなと思う素敵なお話でした！ (2021年9月5日 10時) (レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - 本編始動にあたって、一編お話を書いてみました！皆様も是非執筆してみて下さいね！編集する際は此方に報告をお願い致します！ (2021年9月2日 21時) (レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
