＊ ８ ページ32
家の玄関ドアの取っ手に手をかけてから、ふと思い出す。
家の鍵、かけずに出てきちゃった。
大丈夫だろうと思いつつも、扉をゆっくりと開けながら隙間から中を覗こうとしたら、勢いよく扉が開いて、小さな悲鳴が出た。
雅「Aちゃん！良かった！！」
「…まーくん？え？どうして…？」
勢いよく開いた扉から飛び出してきた彼に、さっきよりももっと強い力で抱き竦められる。
「あっ！ちょ、ちょっと待って！とりあえず中に入ろう？」
慌ててそう言うと、もう一度ギュッと力を込めて私を抱きしめてから、腕の力を緩めて私を中に入るように促した。
雅「何やってんの！鍵もかけないで出掛けるとか危ないじゃん！電話しても繋がんないし！」
入るなり、私の肩に両手を置いて覗き込むように私を見て怒る。
怒られてるのに、ちょっと嬉しくて口元を緩ませる。
雅「…心配したんだから。」
「ごめんなさい……慌てて追いかけたから。全部忘れちゃって。」
雅「あっ！そっか、俺のせいだ。ごめん！なんか、あんな駄々っ子みたいな事言っちゃって…。あのまま帰るのダメな気がして戻ってきた。」
バツが悪そうに笑う彼に、今度は自分から抱きついた。
雅「どうしたの？！」
「さっき、凄く嬉しかった。私も…本当はもっと一緒にいたい。」
雅「本当に…？」
「うん。でも、そんな事言うのダメかなって思ってた。」
雅「もっと欲張ってよ。……あのさ？」
「ん？」
雅「俺も、今日のお祭りの妄想膨らませてたんだよね。」
「…どんな？」
少し腕を緩めて、私の首元に顔を埋めた彼。
雅「主に…お祭りの後の事？…Aちゃんの浴衣を脱がせちゃう…とか？」
照れた様に笑う彼の息が擽ったくて、少し首を反らして彼を見た。
大好きな笑顔がそこにあって、それだけで私も笑顔になる。
そこからは言葉なんかいらなくて、ただ引き寄せられる様に唇を重ねた。
お祭りに行けば笑顔の彼が見られるかも知れない。でも、私しか知らない彼の表情を見たい。
何度も重なる唇に、漏れる吐息がフワフワの綿菓子みたいに二人を包んでた。
彼 × 夏祭り
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1831人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リュリュ(プロフ) - ゆぴさん» ゆぴさん。ありがとうございます！読んで頂けるだけで充分幸せですが、時々感想聞かせていただけるともっと幸せです！またお時間ありましたら是非！これからもよろしくお願いします！お返事遅くなってごめんなさい！ (2016年8月2日 19時) (
レス) id: 533f88702c (このIDを非表示/違反報告)
ゆぴ(プロフ) - リュリュさん» そうでしたか。すみませんでした。たぶん全てのお話を読ませていただいてるとは思うんですけど、なかなかコメントさせていただくのもハードルが高くっていつもためらいます。覚えていただけてるのならまた感想書かせていただきます！ありがとうございます。 (2016年8月1日 7時) (レス) id: 136dc36140 (このIDを非表示/違反報告)
リュリュ(プロフ) - ゆぴさん» ゆぴさん。ありがとうございます！以前にニノさんのお話でコメント頂きましたよね。またお会いできて嬉しいです^ ^！潤くんのお話読んで下さってありがとうございます！幸せでございます！こちらこそこれからもよろしくお願いします！ (2016年8月1日 6時) (レス) id: 533f88702c (このIDを非表示/違反報告)
ゆぴ(プロフ) - 始めまして、だと思います。いつも読ませていただいてます。お身体大丈夫ですか？心配です。お話はいつもキュンキュンだらけなので今回の花火にもやられまくった潤担です。よろしくお願いします。 (2016年7月31日 21時) (レス) id: 136dc36140 (このIDを非表示/違反報告)
リュリュ(プロフ) - 綾さん» 綾さん。ありがとうございます！時に悶絶！？本当ですか？いや、もう何だか嬉し恥ずかしです！ありがとうございます！本当にここの皆様は優しくて妄想で現実逃避しながら日々頑張ります！綾さんも暑い夏を無事にお過ごし下さいね！ありがとうございました！ (2016年7月30日 21時) (レス) id: 533f88702c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リュリュ
| 作成日時：2016年7月24日 0時
