決壊 ページ26
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一度自覚した想いは抑えられず、こぼれ落ちる涙も気にせずに不破に抱き着く。
『ほんとに、大好き…!だいすき……』
涙を拭かれ、お礼を言おうとした唇が塞がれる。
『⎯⎯⎯⎯んっ』
ちゅ、と小さく音が鳴り、離れる。
「好きだよ、Aちゃん」
その言葉を聞き、笑みがこぼれた。
見つめ合い、再び重ね合わせる唇。
Aの頭の中を侵食していたクロは、溶けていた。
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
手を握り合って寝た夜が明け、Aが目を覚ますと既にベッドから起き、猫にご飯をあげている彼が居た。
『不破さん…』
Aの声に振り向くと、笑顔で近寄ってくる。
「起きた?」
愛おしそうに髪を撫でるその顔に、昨日の事が思い出される。
『うーーー…』
途端に恥ずかしくなり、布団を頭まで被る。
「あらま」
その様子におかしそうに笑う不破は、ベッドで芋虫になっているAへ呼びかける。
「ほんとならずっとこうしてたいんだけどさ、今日からちょっと忙しくなるよん」
『え?』
「二人で引っ越そ?」
『…んぇ????』
昨日から驚いてばかりだ。
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
軽やかな手つきで荷物を詰める不破。
「いやー、組織に狙われるレベルは初めてだけど、似たような事経験しててさ〜」
『そうなんですか…?』
「ほら、ホストって人から恨まれることもあるんだよねぇ。お客からもそうだし、ライバルからもね」
『あ〜、なるほど。確かに依頼人もそんな感じでした』
「だよねぇ〜。だから大丈夫だよ」
『大丈夫…?』
荷物を詰める手を止め、Aを見る不破。
「俺も死なないし、Aちゃんも死なせない」
安心してね、と言わんばかりの笑顔を向けられ、Aはまた涙をこぼす。
『泣いてばっか…もーやだ』
そう言いつつ笑う。
『嬉しい、大好き不破さん』
「おっと〜いきなりは照れちゃうなぁ」
『不破さんだっていきなりだったじゃん!』
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ソラ(プロフ) - 。さん» 読んでいただきありがとうございます!イケメンを意識して書いたので、汲み取っていただき嬉しいです✨ (2022年8月25日 10時) (レス) @page2 id: abe5196d9b (このIDを非表示/違反報告)
。 - fwイケメンすぎ……確かに翻弄されそう() (2022年8月19日 16時) (レス) id: 5f3e56882d (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 七瀬えぬ??@Nの嫁さん» コメントありがとうございます!なるべく違和感なく努めているので、そう言っていただけると励みになります!まだもう少し続くので、お楽しみにしててください♪ (2022年6月24日 10時) (レス) @page26 id: abe5196d9b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬えぬ??@Nの嫁(プロフ) - ストーリー性もしっかりしてて読んでいて違和感なくしっかり読めます((ガチ感想ごめんなさい泣、、面白いしすごく感情がうまく伝わってきてまじサイコーっす。!! (2022年6月23日 18時) (レス) @page26 id: 73fef89aef (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - mamaさん» お読みいただきありがとうございます!感想はモチベに繋がりますので、本当に有難いです!更新はまちまちになりますが、気長に待っていてくださいませ! (2022年6月22日 15時) (レス) id: abe5196d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラ | 作成日時:2022年4月30日 20時