× ページ22
‧✧̣̇‧
私はもう、最初にクロに染まってしまったのだから。
そこからシロになるなんて、無理な話だったのだ。
突如、部屋が明るくなった。
いつの間にか日が落ち、事務所から不破が帰ってきていた。
「ぅわ、びっくりしたー…!Aちゃん、こんな暗くしててどうした〜」
いつもの柔らかい声が耳に入っても、心は冷たいままだった。
ふわりと笑顔を作り、答える。
『お帰りなさい不破さん…ちょっとボーっとしちゃって。ところで今日なんですけど、なんだか飲みたい気分だな』
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
『あ〜〜〜美味しい♡』
「Aちゃんめっちゃ飲むじゃん〜しかも上機嫌!」
『えーそうですか〜?』
会話をしながらも、視線はどこか遠くを見つめる。
RRR…
「おっと〜?電話だちょっと待っててねん」
言いながら立ち上がり、部屋を出る不破。
『はーい』
姿が見えなくなるのを確認し、こしらえていた笑顔を消す。
その表情が姿見に映る。
⎯⎯⎯⎯ああ、ちゃんといつもの任務の顔、出来てるじゃん⎯⎯⎯⎯
ポケットに忍ばせていた睡眠薬を彼のグラスに入れた。
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
『⎯⎯⎯⎯さん、不破さん』
ベッドに眠る彼へ静かに呼びかける。が、返事の代わりに寝息が返ってきた。
元々そんなにお酒を飲まないのに加え、睡眠薬に耐性がある生活を送っているとも思えない。
今回は失敗する未来は見えない。
身体にまたがり、手を伸ばして枕の下のナイフを掴む。
その時、彼の顔が近くなる。
小さく胸が鳴った。
まじまじと彼の整った顔を見つめる。
『…ありがとう』
小さく呟く。
ナイフを両手に持ち替え、振り上げる。
187人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「2j3j」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソラ(プロフ) - 。さん» 読んでいただきありがとうございます!イケメンを意識して書いたので、汲み取っていただき嬉しいです✨ (2022年8月25日 10時) (レス) @page2 id: abe5196d9b (このIDを非表示/違反報告)
。 - fwイケメンすぎ……確かに翻弄されそう() (2022年8月19日 16時) (レス) id: 5f3e56882d (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 七瀬えぬ??@Nの嫁さん» コメントありがとうございます!なるべく違和感なく努めているので、そう言っていただけると励みになります!まだもう少し続くので、お楽しみにしててください♪ (2022年6月24日 10時) (レス) @page26 id: abe5196d9b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬えぬ??@Nの嫁(プロフ) - ストーリー性もしっかりしてて読んでいて違和感なくしっかり読めます((ガチ感想ごめんなさい泣、、面白いしすごく感情がうまく伝わってきてまじサイコーっす。!! (2022年6月23日 18時) (レス) @page26 id: 73fef89aef (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - mamaさん» お読みいただきありがとうございます!感想はモチベに繋がりますので、本当に有難いです!更新はまちまちになりますが、気長に待っていてくださいませ! (2022年6月22日 15時) (レス) id: abe5196d9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ソラ | 作成日時:2022年4月30日 20時