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episode 6 ページ7

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今日は怒涛の1日だったなあ




結子と久々にアニメイト行った日に憧れの人に会う、




もしかしたら一生分の運を使い果たしてしまったかもしれない




声優さんのオフの時にたまたま会える、ということは
恐らく普通の人ではなかなか味わえないだろう




「そのぐらいすごい人なんだよなあ」




あれからコンビニを出た私は、さっきの余韻が忘れられず少し遠回りをしながら家に帰っている。




きっと、私がさっき感じた複雑な感情は




梅ちゃんが手の届かない、遠い存在なんだ




と改めて思い知らされたからなのかもしれない




そんなの、分かりきってたはずなんだけどなあ…




少し、視界が、目の前がぼやけて見えた




私、何泣いてるんだろう




悲しいことなんて何もないはずなのに




むしろ、今日は嬉しいことだらけだったはず、




自分でも制御しきれない感情が、体の中を駆け巡っていく




きっと、これは嬉し涙なんだ、




うん、そうだよ、嬉しくないわけないもん




思考とは裏腹に、どんどん視界が歪んでいく




「…っ……」




『あの』




涙が零れかけた、その時だった。




『さっきから付いてくるの、やめてもらえますか?』




私は目を擦った。




涙を拭くため、という目的もあったけど




目の前の光景に、驚きを隠せなかったから




『さっきコンビニであった方ですよね?』




梅原裕一郎




私の涙の原因が、




目の前で迷惑そうにこっちを見ながら立っている。




『ファンでいて下さることは嬉しいんですけど、ここまでされると迷惑です』




私は咄嗟のことに驚きが隠せなかったけど、
それ以上に意味の分からないことを彼が言ってくる




「…え、ま、待ってください!私ストーカーとかするつもりなんてなくて…えっと…全然前も見てなくて…、」




まさか自分がストーカーに間違われる日が来るなんて、




しかも、自分が大好きな声優さんに




口が裂けても梅ちゃんのことで泣いてて前を見てなかったなんて言えない…!!




『本当ですか…?』




梅ちゃんはまだこちらを訝しげに見ている




間違いとはいえ、これは辛い…!




「そうです!本当です!!」




私は、早くこの場から離れたくて、そそくさと梅ちゃんを追い越した。




「…不快な思いをさせてしまって、本当にすみませんでした!!」




私は振り返って一礼すると、早足で自宅に向かう。






…本当に、今日は怒涛の1日だ

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設定タグ:梅原裕一郎 , 声優   
作品ジャンル:アニメ
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2021年4月4日 22時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
(名前)あゆか(プロフ) - コメント失礼します!!!めちゃくちゃ面白いです!!!続きがめっちゃ気になります! (2018年3月19日 13時) (レス) id: 8626f2f96f (このIDを非表示/違反報告)
うめちば。 - コメント失礼します!とっても面白くて、続きが凄く気になります!私も梅原さん好きなので嬉しいです!試験とか大変だと思いますが、応援してます!更新頑張って下さい!!! (2018年2月1日 0時) (レス) id: 374416c859 (このIDを非表示/違反報告)
たこな(プロフ) - とても面白いです!試験と両立は難しいと思いますがふぁいとです! (2018年1月26日 18時) (レス) id: a9a4ccb475 (このIDを非表示/違反報告)
奏志(プロフ) - 麻緒さん» ありがとうございます!そういってくださるととても嬉しいです!!これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします!!! (2018年1月25日 18時) (レス) id: 38e8528cdb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奏志 | 作成日時:2018年1月6日 22時

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