いつだってそばにいて (ページ19)

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「よし、紫耀、おいで。」

うさぎさんについて、カーペットになってるから上靴も脱がせて、そしたらフカフカのソファに座る。

両手を広げてみせれば、どーんと突進してくる勢いで俺の胸に飛び込んでくる。モヤモヤしてるんだろうなあ、まだ。

「うしうし、だいじょーぶ、だいじょーぶ。」

教育上あんまりよろしくはないのかもしれないけど、ここでは紫耀のことを精一杯甘やかしてあげる。

「泣かないよ紫耀、しんどくなっちゃうよ～」

俺の胸に埋まるちっこい背中を、トントン、と叩いてると、顔だけを横にして、自分の親指を噛み始めた。

「あ、紫耀、噛みません。」

ゆっくりその腕を降ろすと、今度は、紫色のスタイを口に含む。

最近はあまり見なかったスタイだけど、きっとこうやって落ち着けるようにお父さんがつけてくれたんだろう。

トン、トンと背中を叩き続けてると、キーンコーンカーンコーンと、普通の学校よりはずっとずっと控えめなチャイムの音が聞こえる。

「よし、紫耀、泣きやめたね。偉い！4時間目から授業受けようね。」

コクリ頷く紫耀を、また教室まで連れていく。

終