5 ページ5
トッポside
諜報開始から約1時間半。
頻繁に触れられる肌が拒否反応を示すのを堪え、笑顔を作る。
取れ高はそこそこ。ターゲットの会社員は会社の金を横領し、複数の女と遊んでいたらしい。会社内部の構造もだいたいわかってきた。
遊ばれた女性数人が、そいつから悲惨な詐欺被害にあっており、復讐したいと依頼をしてきたのが俺たちのとこ。
「あーいう、女を取り替えて遊ぶ楽しさはわからんわ。君みたいな可愛い青年しか目がいかないからやけど」
「…そ、そんな、お上手言うて…」
あかん、上手い返しが出来へん。ほんまキツイわこの仕事。
一休みするために、手洗いに行く旨を伝えて席を立った。そのとき…
「やっ…!ちょ、と」
「ええ尻してんなあ、若いわ。はっは、ごめんごめんからかって」
「…も、もう、あきませんってぇ」
も、揉まれた…!最悪や、泣きそう。
逃げるように手洗いに向かうと、その近くに座っていたガムの表情が見えた。
…始末のときの目で、八幡を睨みつけていた。
ガムが苛立っているのがすぐわかり、俺のこと大事に思ってくれてんねんなあ…と妙に感動する。ガムは仲間に優しいから、普段から俺が困ってたらすっと助けてくれるし。
用を済ませ、鏡に映る疲れた自分に活を入れ、あと一踏ん張りや、と言い聞かせた。
席に戻る前、何やら八幡とバーテンダーが話し込んでいたが、俺が現れると会話をやめた。
「おう、おかえり。…なあ、君、俺の昔の会社に興味あるんやろ?
…とっておきの情報あんねんけど、聞きたない?」
俺を座らせ、ぐっと肩を抱いて来る八幡。わ、嫌や…。
「な、なんですかあ?聞いてみたいです」
我慢我慢。だいぶ口が軽くなってきたし、こっからどんだけ吐かせられるかや。
八幡は、にんまりと嫌な笑みを見せた。
.
160人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るーしー(プロフ) - ガムトポすごく萌えました😭最後の鈍感トッポが、可愛くて可愛くて可愛すぎます。。ピンチに駆けつけるガムもかっこよくて、最高でした😭素敵な小説をありがとうございます! (2023年3月23日 2時) (レス) @page10 id: f4098d03e8 (このIDを非表示/違反報告)
もち苺。(プロフ) - あかかめさん» ありがとうございます!私もヒロイン感あるしょうちゃんが好きです笑 この先もゆっくりではありますが頑張るのでよろしくお願いします!! (2017年9月5日 20時) (レス) id: e64daadfce (このIDを非表示/違反報告)
あかかめ - 今更ですが全シリーズ読ませて頂ました…!章ちゃん受け+受けが危ない感じになって助ける的なお話が大好きなので生き甲斐になってますwお忙しいでしょうが無理せず頑張って下さい!長文、乱文失礼しました。 (2017年8月8日 20時) (レス) id: dd37e16602 (このIDを非表示/違反報告)
もち苺。(プロフ) - とまころろさん» いつもありがとうございます!これからもなかなか書けない期間があると思いますが、たまーにでも覗きにきていただけたらと思います。これからもよろしくお願いします! (2017年7月13日 23時) (レス) id: 9309636f94 (このIDを非表示/違反報告)
もち苺。(プロフ) - 青菜はやとさん» いつもありがとうございます。切甘は難しいです!笑 でも可愛いヤスくんは全作品に欠かさず書いていきたいです笑 (2017年7月13日 23時) (レス) id: 9309636f94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もち苺。 | 作成日時:2017年3月23日 22時