やすくんと年下組 part11

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ガムside


貸し切りにされていないかが不安やったけど、来店するとすぐにカウンターへ通してくれた。


他に客はいない。適当に酒を注文して、トッポやおっさんが来るのを待つ。


…おっさんの名は、八幡(ヤハタ)。ラグビー選手のような体格の45歳。変態な噂は数々聞いている。


あいつがトッポの肩や腕に触れ、甘い言葉で誘い、やらしい目を向けるのかと思うと気が気やなかった。すぐにでも立ち塞がり守ってやりたくなるやろうけど、そこは我慢や。任務のために。


しばらくすると、カラン、と扉が開く音。


トッポが来店してきた。


彼はカウンターの一番奥、俺とは反対側の端に通された。少しだけ眺めた後は、他人のふりを決め込む。


あの髪型…可愛い。胸元も開いてるし、やばい。俺といつかバーで飲んでくれたら、あんな感じのカッコがええなあ…


実際2人でいい雰囲気の店になんか行ったことはないし、誘っても断られて終わるやろな。インドア派やし。

妄想と現実を行き来していたとき、ついに八幡がやってきた。


「おう、あんたか？待たせたなぁ」


トッポや俺とは初対面やけど、マックが先に八幡とはコンタクトを取っていた。


マックは八幡にトッポのことを「フリーの友人として紹介」した形になっている。つまり八幡は口説く体制で来るってこと。トッポの写真も見せたところ、好反応やったらしいし。



あいにく、席が遠くて全ての会話は聞こえないが、俺は極力耳を澄ませ、視線を送り、八幡の行動を見張る。



……！うわ、いきなりトッポの手を撫で回してる！


怒りがメラメラ燃え上がるが、平静を装い酒を追加注文した。


トッポ、嫌やろうけど早よ頑張って情報抜きだしてくれ。俺の精神が持たへんわ…。


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