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「ふん、見た目で判断したらエライ目に遭うで」
「くっ、このチビ…」
瑛都街の裏通り。
いまは一人で暇つぶしに歩いて喧嘩吹っかけてきたチンピラを潰したとこや。
チムニーにはいつも負けとるけど、俺かてそこらの不良に囲まれてやられるほど雑魚やない。
だいたいチビやから勝てるやろって絡む奴は弱い奴や。
ニョッキやベルガモはいま別の街で仕事中。もう夕暮れやし部下も帰ってるころかな、俺もアジト帰るか…。
「あんた、チェリーやろ」
正面から歩いてきて話しかけてきたのは、ガリガリの目つき悪い男。
喧嘩、というより何か品定めでもするような目で俺を舐めるように見てくる。
「誰や」
「鼠組。ねぇチェリーちゃん、俺らの家に来ない?可愛がったげるよ」
ちろっと舌を出す男。鼠組、得体の知れない新勢力。なんや気持ち悪い目して、喧嘩なら喧嘩ってはっきりせえ。
「殴られたいんか」
「焦るなよ、ひとりじゃやらねえ」
背後から足音がした。振り返ると男が3人、俺を囲むように寄ってくる。
俺は目の前の男を蹴った。が後ろから押さえつけられ蹴り返される。3人がかりで押さえられたらなかなかふりほどけない。
「ぐ、!はっ、うっ」
何発も蹴られて血を吐く。くそ、さっきのチンピラにけっこう体力使ってもうた…頭がぐらつく。
「壮観やな、チェリーちゃんがこんな苦しんでるなんて!うちの部下たち、いつもボコボコにされてんのに」
答える余裕もなく打撃を受ける。殴られまくった俺はやがて、意識を失った。
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倉餅(プロフ) - とまころろさん» 初コメントありがとうございました!小説を誰かに見てもらうのは初めてだったので、とても嬉しいです!これからも更新がんばります。 (2016年7月8日 22時) (レス) id: f9b71d4474 (このIDを非表示/違反報告)
とまころろ - とても素敵です。更新楽しみにしてます! (2016年7月8日 20時) (レス) id: edaf8fd36c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もち苺。 | 作成日時:2016年7月5日 2時