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寝ている章ちゃんを指さしてそう言った住職さん。
霊の切なさを知って、俺は住職さんに言った。章ちゃんを少しお願いしたい、その人の御墓参りをしたいと。
お寺の中に章ちゃんを寝かせてもらって、俺は霊のお墓の前に立った。
線香を上げ、祈りながら伝えたことは、
章ちゃんはあなたの恋人とは別人だということ。
だからあなたはさっき、恋人に抵抗されたんでもないし、
あなたの恋人があなたを忘れて、俺の恋人になったんでもない。
あなたはまだ、自分の恋人を待ち続けてよいのだということ。
祈りが終わり、寺に戻る。章ちゃんは目を覚ましたやろか…。
途中、1人の男性とすれ違った。墓の方へ向かうゆっくりとした足取り。
眼鏡をかけて黒髪だったけど、俺は息を飲んだ。
章ちゃんに、似てる。
ぱっと振り返ると、その男性は先ほどの霊のお墓の前にしゃがんで、御線香をあげていた。
そして…ふと顔をあげて…じっと虚空を見つめている。
その先に、きっと、あの悲しい顔をしていた彼が笑っている。
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倉餅(プロフ) - とまころろさん» 初コメントありがとうございました！小説を誰かに見てもらうのは初めてだったので、とても嬉しいです！これからも更新がんばります。 (2016年7月8日 22時) (
レス) id: f9b71d4474 (このIDを非表示/違反報告)
とまころろ - とても素敵です。更新楽しみにしてます！ (2016年7月8日 20時) (レス) id: edaf8fd36c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もち苺。 | 作成日時：2016年7月5日 2時
