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桜庭ちゃんは泣いて赤くなった目を隠すように店内に入ろうとした。「帰るって、友達にいってくるね。鞄も中だし…」そういう桜庭ちゃんを引き止めて、私が取ってくるよと声をかけた。最後にもう一度「ごめんね、Aちゃん」と謝る桜庭ちゃんに私は何も言えなかった。
「Aー、遅かったね。…どしたの」
みっちゃんに顔を覗き込まれて、誤魔化すように笑う。なんて説明すればいいのかもわからないし、正直私も理解が出来ていない。こういうモヤモヤを消すためにお酒とか飲んじゃうのかも、大人は。酒は全てを洗い流す、的なやつ。
「……未成年悔しい。私もお酒飲みたい」
「のめのめ。ほら、ノンアル」
隣のテーブルの先輩達がうらめしい。なんて笑いながら綺麗な先輩達に囲まれる大我先輩をみた。…黙ってなくてもモテるは本当らしい。私といる時とはまた違う先輩の横顔。
「ねえ、みっちゃん。慎太郎ともう1回連れションしても良い？」
「連れションやめて(笑)私の許可いらないって。……あとでちゃんと話してよね」
もちろんだよ、と熱い抱擁をかわしてはしゃいでる慎太郎に声をかけた。「しんたろ、連れションいくよ」
「……女子がそういうこと言うなよ」
なにかを察したように大人しく着いてきた慎太郎。また店の外。何回も出入りして申し訳ないなんて思いつつ。
「慎太郎、…北斗と桜庭ちゃん」
「別れた。…あとは北斗に会ってきいてやって」
「………ずっと知ってた？」
慎太郎の態度がおかしくなった頃から、なら桜庭ちゃんの話と辻褄が合う気がする。あー、と口ごもったあと、「うん。わりー」って慎太郎は謝った。
「慎太郎が謝るとこ、じゃないけど。…なんで？」
「………頼まれた。黙ってて欲しいって。知ったらAが気にするからって。………まじで後は北斗から直接きいてやって。あいつ俺だけだとだめなの！かまってちゃんのくせにさー！」
「………ごめん。慎太郎に迷惑かけて。北斗、私と話してくれるかな」
当たり前じゃん、あいつが待ってんのAだし。って当たり前みたいにいわれた。どんな顔してどんな風に話しかけたらいい？なんて、もう会いに行くことは決まってて馬鹿みたい。
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Nappy(プロフ) - 素敵な作品ですね！ (2021年11月21日 21時) (
レス) id: 6b7a5f4d24 (このIDを非表示/違反報告)
キミ(プロフ) - いけない時間から1を読み始めたら深夜を過ぎて一気読みです！仕事かうまくできるか不安でしたが、感情を揺さぶられて、涙するお話が読めたので、心は満足です！続きを楽しみにしてます！ (2021年11月18日 1時) (レス) id: d4e3c92b39 (このIDを非表示/違反報告)
やん - 沢山更新嬉しいです！！！！！！日々の楽しみです^ ^ (2021年11月8日 0時) (レス) @page25 id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - このお話の京本くん好き過ぎます。どのお話も大好きです。更新頑張ってください⚐ﾞ (2021年11月7日 21時) (レス) @page20 id: 2b37390e07 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - だめだ。あまりにも好きすぎる。 (2021年11月7日 19時) (レス) @page20 id: 5f27ff9118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2021年11月4日 20時
