(Recollection1) ページ14
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高校に入ったばかりの頃、すぐに意気投合したみっちゃんと、うるさいぐらいに話しかけてきた隣の席の森本くん。それから後ろの松村くん。
「松村北斗です」って簡素な自己紹介に、ニコリともしない整った顔。今考えると仲良くなれそうな要素ひとつもない、のに。
何故か一緒にお弁当を食べることが多かった、…いや、私が無理やり誘ってたんだ。
「森本くんと、みっちゃんでご飯食べるんだけど。一緒に食べよ」
「…いや、俺は」
はい、じゃあ今日松村くんと私の机ね！って無理やりくっつけて食べる日もあったし、そもそも昼休みが始まってすぐに逃げられることもあった。
最初の頃は愛想笑い、みたいな笑顔を作ってたのに。どんどんうざいって顔にも言葉にも出すようになったし、それに伴ってよく笑うようになった。
「Aはなんで俺にかまうの？」
「……そんなかまってなくない？」
「たまにウザイくらいにはかまわれてるよ、俺」
嫌味まで言うようになったのだから、少しは仲良くなれているのかな。嬉しい、かもしれない。懐かない野生動物が懐いた、みたいなそんな感覚。
「つまんないって顔してるからじゃない？北斗が」
「……もともとこんな顔だわ(笑)」
「ほらー。笑った方が可愛いよ。これからもかまってあげるからね」
「頼んでないって。…まぁ、嫌な気はしないけど」
そう言って北斗が笑った日から私はもう北斗を笑わせることに必死で。話しかけて話しかけて、北斗からの呼び名がA、に変わった時には「え、もう1回呼んで」って言ってうざかられたりして。
「ほくとほくと、型やって。型」
「いや、まってよ。そんな雑にみせるものじゃないのよ」
「俺もみたーい！やってやって」
ふざけて軽口も叩き合う関係になれた。4人で遊園地にも行ったし、進級のクラス替えにも脅えて。同じクラスになれて喜んだ。1年の頃は楽しくて仕方なかった。
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2年生になって。6月の中頃、思い出したように北斗が呟いた、
「あ、今日誕生日だわ」
「誰の」
「俺の…いって。なんで、叩くのA」
いや、そんなのお祝いさせてよ！早く言ってよって言いながら北斗の肩を叩く。なんでそんなにサラリと言うんだろ。誕生日なんて何にもなくてもテンションが高いものじゃないの？
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Nappy(プロフ) - 素敵な作品ですね！ (2021年11月21日 21時) (
レス) id: 6b7a5f4d24 (このIDを非表示/違反報告)
キミ(プロフ) - いけない時間から1を読み始めたら深夜を過ぎて一気読みです！仕事かうまくできるか不安でしたが、感情を揺さぶられて、涙するお話が読めたので、心は満足です！続きを楽しみにしてます！ (2021年11月18日 1時) (レス) id: d4e3c92b39 (このIDを非表示/違反報告)
やん - 沢山更新嬉しいです！！！！！！日々の楽しみです^ ^ (2021年11月8日 0時) (レス) @page25 id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - このお話の京本くん好き過ぎます。どのお話も大好きです。更新頑張ってください⚐ﾞ (2021年11月7日 21時) (レス) @page20 id: 2b37390e07 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - だめだ。あまりにも好きすぎる。 (2021年11月7日 19時) (レス) @page20 id: 5f27ff9118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2021年11月4日 20時
