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電車に揺られること30分くらい、そこからバスで10分。その間にした会話は「着いたら起こして」だけ。なにそれ。
ほんとにずっと寝てた。この人。
「田中先輩、この人ずっと寝てますよ」
「……寝る子は育つね!」
そんな適当な返し、ありますか。隣に座る大我先輩の肩を揺らして「つきましたよ、おきてください」そう声をかけたら「うるさい」って言われた。理不尽。
「………田中先輩、」
「ごめんごめん、ほら。きょも。いくよー」
荷物をもって、手を引かれて歩く先輩。慎太郎は「ついた!」ってすぐ降りてダッシュだし、みっちゃんもその後をついていく。
少し遅れて、北斗と桜庭ちゃん。…盗み見た北斗の顔はどこか寂しげだ。笑ってるのに笑ってない、みたいな。
走って慎太郎の所へ行く。だって、あんな顔の北斗見たくないし。人見知りで寂しがり屋の北斗のことだ、新しい環境に慣れてない、んだって勝手に思う
「……しんたろ」
「なになに!海きちゃった!うえーい」
「うえーい。……あのさ」
北斗の様子、みてあげて。ってどの立場で言ってるんだろって本当に思うよ。「……私が行きたいけど、私がいったらきっと困るから」って俯きながら言う。
「当たり前だろー。言ったじゃん。Aも北斗も友達って」
「しんたろ、らぶ…」
「ごめん、俺もう少しスタイルいい子が好き…」
そう意味じゃないよ、って笑ったら「高校の時から変わらないよなーA」って。その後言いづらそうに
「……北斗のこと気にしてんの。初対面からそんな感じだったもんな」
「んー?そう?覚えてないよ(笑)」
嘘、本当は覚えてた。高校の時の北斗をどうにか私たちの輪に入れて、笑って欲しくて。無理やり遊ぼ遊ぼって誘ってた。今考えるとすごい迷惑なやつ。
「……俺は正直、いつかAと北斗がくっつくと思ってた」
「予想外れたね(笑)」
「え、俺いますごい無神経なこといってた?」
焦る慎太郎、「うん」って笑ったらさらに焦ってた。「ちょっと行ってくるわ」って慎太郎は走っていって。すごい嫌な奴。自分は顔合わせらんないくせに、心配してる、とかどの口が言ってるんだろ
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Nappy(プロフ) - 素敵な作品ですね! (2021年11月21日 21時) (レス) id: 6b7a5f4d24 (このIDを非表示/違反報告)
キミ(プロフ) - いけない時間から1を読み始めたら深夜を過ぎて一気読みです!仕事かうまくできるか不安でしたが、感情を揺さぶられて、涙するお話が読めたので、心は満足です!続きを楽しみにしてます! (2021年11月18日 1時) (レス) id: d4e3c92b39 (このIDを非表示/違反報告)
やん - 沢山更新嬉しいです!!!!!!日々の楽しみです^ ^ (2021年11月8日 0時) (レス) @page25 id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - このお話の京本くん好き過ぎます。どのお話も大好きです。更新頑張ってください⚐゙ (2021年11月7日 21時) (レス) @page20 id: 2b37390e07 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - だめだ。あまりにも好きすぎる。 (2021年11月7日 19時) (レス) @page20 id: 5f27ff9118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめこ | 作成日時:2021年11月4日 20時