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海以来のサークルの集まり、新歓の時と同じ店。桜庭ちゃんは女の子のお友達と一緒に座っていて、北斗は来ていなかった
「しんたろー、…北斗と桜庭ちゃん喧嘩でもしてるの?」
「……え?なんで?」
「だって、こういうとこに彼女1人で参加させる人間じゃないでしょ。北斗…」
「なんか予定ある、とか言ってたかも?」
なんか誤魔化してる、って気づいたけど。私には関係ない話、だし。慎太郎をつめるのは違う気がする。「そっか」って納得してみっちゃんの隣に腰を下ろした
「はーい、じゃあ飲み物いったね!適当にたのしもー」
かんぱーい、田中先輩のゆるい乾杯で始まった飲み会。今は1年生同士で固まって「夏休み長かったよね」「あの教授の講義やばい」みたいな当たり障りのない会話を楽しんでいる。そのうちに
「彼女ほしいから大型合コンしよ!」
なんて言い出して、それにのった数人が「じゃあ相手いないやつ手ーあげて!」なんて。つられるみたいに、数人が手を挙げる。みっちゃんはニヤニヤしてそれを見てるし、恥ずかしいけど私も挙手。けっこうみんな恋人いるんだなー、って悲しくなる
「まって。むなしい…」
慎太郎のその一言でみんな爆笑。でも私は笑えなかった。なんで桜庭ちゃんも手を挙げてたんだろ。北斗は?つい、桜庭ちゃんをみてしまう
私の視線に気づいた桜庭ちゃんは眉を下げた申し訳無さそうな顔をして席を立った。それから小さく手招きをした。みっちゃんにトイレ、って声をかけて桜庭ちゃんについて店の外へ出た
桜庭ちゃんは先にでていて、店の向かい側で待っていた。「Aちゃん、呼んじゃってごめんね」と言ったきり、なんにも言わない
2人で話すことなんてあまりなかったし、なんで私をわざわざ呼び出したんだろう。気まずそうに笑って、「ごめんね」って謝った桜庭ちゃん
「ずっと、謝らないとって思ってたの」
「謝られるようなこと、なんにもないよ。どうしたの?」
申し訳なさそうに謝られたら、こっちが申し訳なくなる。眉を下げて私をみつめる。言いにくそうに「ほっくんの誕生日、」って。
「むしろ私が、約束なんてしてたからだよ。」
だから謝らないで、って笑ったのに桜庭ちゃんは俯いたまま。それから顔を上げて、泣きそうな顔で呟いた
「…….あの日、ね。Aちゃんのところに戻ろうとするほっくんを引き止めたくて、告白したの」
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Nappy(プロフ) - 素敵な作品ですね! (2021年11月21日 21時) (レス) id: 6b7a5f4d24 (このIDを非表示/違反報告)
キミ(プロフ) - いけない時間から1を読み始めたら深夜を過ぎて一気読みです!仕事かうまくできるか不安でしたが、感情を揺さぶられて、涙するお話が読めたので、心は満足です!続きを楽しみにしてます! (2021年11月18日 1時) (レス) id: d4e3c92b39 (このIDを非表示/違反報告)
やん - 沢山更新嬉しいです!!!!!!日々の楽しみです^ ^ (2021年11月8日 0時) (レス) @page25 id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - このお話の京本くん好き過ぎます。どのお話も大好きです。更新頑張ってください⚐゙ (2021年11月7日 21時) (レス) @page20 id: 2b37390e07 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - だめだ。あまりにも好きすぎる。 (2021年11月7日 19時) (レス) @page20 id: 5f27ff9118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめこ | 作成日時:2021年11月4日 20時