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「送らせてごめんよ、北斗」
「いーえ。入ったらすぐ鍵しめなさいよ」
結局アパートの前まで送ってくれた北斗。手を振って、小さくなる北斗の背中を見送った。笑うとふにゃりとなる目も、先回りする優しさも、私だけにしてくれてるわけじゃないのに嬉しくて仕方ない。どうしたらこの気持ちを諦められるんだろう。
北斗の背中を見ながらそんな薄暗いことを考えていたら振り返った。北斗が。
「うお、…早く入れって。」
「見送ってた(笑)…ありがとね、北斗」
「いいから。…誕生日楽しみにしてる」
「わたしも！めちゃくちゃ祝うから！」
めちゃくちゃ祝うって日本語変だよって笑われたけど、本当にそのくらいお祝いしたいんだもん。見えなくなるまで背中をみてたけど、今度は北斗は振り返らなかった。
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「気色悪いくらいにやけてない？こいつ」
「うん。…A、なんかいいことあったの？」
学食の席、向かいに座る慎太郎は気味の悪いものでもみるように私の顔を見た。浮ついている、という言葉が今の私にはピッタリだと思う。講義の内容なんて耳に入ってこないし、目の前の日替わり定食よりもスマホが気になる。
「……誕生日、でかける」
「ん？だれと、…あー！北斗か！」
「うん。…なにその生暖かい視線！」
みっちゃんも慎太郎もにやにやして私を見るものだから居心地わるい。友達として、だし。義理堅い彼のことだから約束を守っただけだろう、けど。
「……久しぶりに2人で出かけられるの、嬉しい」
「よかったなー！A、これもくえ！パーティパーティ！」
「ばか！むしろ食わせないで！万全のコンディションでいくんだよ、A！」
自分のことみたいにはしゃぐ2人をみて、わたしも嬉しくて仕方ない。自然科学館のチケットは前売を買ったし、誕生日のイベントも予約済み。あとは、……プレゼントを買うだけなんだけど。
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らっとる - 初めてコメントします！まめこさんの作品が大好きでどれも何度も読み返しています♪中でも今回の無題とーーっても好きです！1日に何回も更新されてないかな?と覗きにきては読み返してます☺︎更新楽しみにしてます！応援してます♪ (2021年11月4日 18時) (
レス) id: cbd38ba105 (このIDを非表示/違反報告)
Sn(プロフ) - 初めてコメントします！凄く面白いです！ニヤニヤしてしまいましたー＾＾今後の展開が気になりすぎるっ！！！更新楽しみにしております！作者様のペースで頑張って下さい！応援しております (2021年10月1日 0時) (レス) @page15 id: 8a3780e77b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2021年8月22日 14時
