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映画の前のこの宣伝たち、好きだなと心の中で呟く。徹底した無視は田中くんの機嫌を斜めにするのは十分だったようで。
隣の席でクチビル尖らしてる。「俺は不機嫌です」って顔にわざと出してるんじゃないかな。ってくらい。でも映画を見るのに田中くんの機嫌はあんまり関係ないし、
初めてみたアクション映画、わりと面白い。爆発音がなる度にびっくりするけど、展開が気になって見入ってしまう。ただ、洋画ってなんでラブシーンがはいるんだろう…
熱烈なキスシーン、…なんかすごく気まずい。気にしない振り、して画面を見てると右手になにか触れた
手元を見ると田中くんの手だ。驚いて田中くんを見ると、ニヤニヤしながらこちらをみてる。…あ、からかわれてる、これ。
「(はなして、)」そう口パクで言うと、田中くんも口パクで「(やだ！)」って。手をぶんぶんと振るけど、田中くんははなそうとしない。
もうそこからは映画なんて頭に入ってこなかった。別に田中くんに、じゃない。こんなに長い間男の子と手を繋いだことなんてないし、居心地が悪かった。ただそれだけなはず
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「田中くんは性格がよろしくないね、」
「手を繋いだことに対して言ってるの？Aちゃん厳しくね？むかつくんだけど」
「そうやって年上をからかって。…渡辺くんにちくるからね」
脅しのつもりでいったのに「しょっぴーなんて怖くないから全然いいよ」と笑われればもう何も言えないよね。田中くんは私とは正反対だ。言いたいことを言って相手の顔色なんて多分、気にしてない。…わたしだからなのかもだけど
「………田中くんはすごいね」
「…は？今俺、Aちゃんのことバカにしてたんだけど」
意味わかんないって顔してバカにしてるって言えるとこ、本当にすごい。色んな意味で。
「………そういう素直なところ、尊敬する」
「尊敬するって声のトーンじゃないけどね、Aちゃん」
「あ、ちがうよ。嫌味とかじゃなくて。ほんとに…ちょっとだけ羨ましいかも」
ちょっとだけ、を強調して言うと今度は「やっぱむかつく」ってケラケラ笑う。褒めたのに、と手元のスマホをぎゅっと握って田中くんを睨んだ。
「なになに、そんなに見つめて。」
「……睨んでたんだよ、」
「へえ。ねえ、Aちゃん。」
距離が自然と縮まった。見下ろすようにまた遊んでくれるよね？って言われて。頷くしか無かった自分が恨めしい。
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まめこ(プロフ) - ゆーしいさん» いつもコメントありがとうございます(^^)！ぜひお時間ある時にお願い致しますー！ (2021年8月23日 19時) (
レス) id: 08ec96d6c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーしい(プロフ) - ドキドキしながら読んでます！きゅんきゅんします！また読みにきます〜！ (2021年8月23日 10時) (レス) id: 3150e2c301 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2021年7月26日 19時
