教師の特権 part2 (ページ5)

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走って走って

上履きがなかなか脱げなくて、下駄箱でもたついて

ローファーを履いて走って

それが脱げそうになるのを必死に耐えて

気づいた時には

全然知らない場所

自分でも馬鹿だと思う

高校生になってまで迷子なんて

近くにあった公園に入れば

懐かしいようなブランコがあって

そこに座ってみると、妙な安心感に包まれた

「ばっかみたい……」

そう呟いた声は虚しく空に消えていく

まだ空は明るい

もうすぐ夏

寒くはない

でもね、心が寒い

だって考えてみてよ

よく考えてよ、自分

先生は私のことなんか好きじゃなくて

私だって先生に好きって言ったことなんてなくて

恋人でもないし

友達にだってなれない関係

でも、仮にも先生からキスされて

しかもそれだって一回きりじゃなくて

先生が私を求めてる瞬間を肌を通じて感じて

それでも、そんな関係

私と先生だけじゃないってこと？

他の子にも私と同じように

わたしにしてくれたみたいに

触れているの？

ねえ、先生

あの ‘‘特別’’ って何だったの？

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