▽ ページ36
『やっぱりさ』
「……なんだ……」
『お前は龍だよ』
「……は？」
──高貴で、うつくしくて、神々しくて、大切な神様。神様に等しい大事なおまえ。だから龍、東洋の龍神なんだ。……お前を災厄と忌むようなやつらから、俺はお前を守りたい。だからずっとそばにいたいんだ。
「お前はときどき、なにをいっているかわからない」
『悪かったな』
「でも、今のが愛の告白だったのはわかる」
『…………』
グルッペンはそういって、俺に抱きついてきた。ゆっくり、ていねいに。すぐそばにある体温が、妙に高くて落ちつかない。俺の陽気な心臓のリズムが、もれなくすべて、あいつの肌に伝わっているのだと思うと、余計に落ちつかない心地がした。俺のことなんか、なにもかもおみとおしみたいだ。俺はお前のこと、なにもわからないっていうのに。
『そんなこといったつもりはねえ』
「そうなのか？ どうかな」
『……なにわかった顔してんだ、コラぁ』
「俺に好きっていったのも、違うっていうのか？」
『……それは』
今さらになって照れが勝ち、うんともすんともいえないでいると、グルッペンが笑い出した。夏の雨雲を引き裂くような、軽やかで涼しい声で。
＊
「…………」
屋敷に向かう途中のあぜ道は、少し道を外れるとそこらじゅうが森の入り口とつながっている。そんな人のわけ入らない場所で、みおぼえのある子どもがふたり、近づいたり離れたり、抱きしめ合ったりキスをしたり、みるにしのびないむつみ合いをしているのがみえて、コネシマは思わず目を逸らした。そして、そのことを考えないようにした。
屋敷に上がり、台所に行って自分の茶を勝手に淹れていると、大先生とトントンが姿をあらわした。
「あのさー。あっちのほうの茂みで例のガキとグルッペンがいちゃこいとったんやけど」
コネシマがそう切り出すと、大先生はとたんに目をきらめかせて「どこまでやってた？」と下世話な詮索をしてきた。そんな大先生に、トントンがギッとにらみをきかせる(だが、大先生はそんなトントンをかけらも気にしたようすはない)。
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暁 - こんにちは！好みドストライクの小説に死にました笑笑 よろしければ、番外編など書いていただけると、今後の楽しみになります← (2019年6月26日 17時) (
レス) id: 49acb176a2 (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - カロさん» リクエストありがとうございます！無事書けましたのでお知らせいたします。夢主気に入っていただけたみたいでうれしいです；！書いててすごく楽しいのでありがたいリクエストでした！読んでくださってありがとうございました！ (2019年6月22日 8時) (レス) id: 5ef018c5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カロ(プロフ) - すみません！リクエストで夢主くんとグルさんのイチャイチャが見たいです！お願いします！ (2019年6月21日 18時) (レス) id: d6860b933c (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - bhさん» わーいありがとうございます；；ほんと私の好きなもの無造作につめこんだだけの作品にそういっていただけでうれしいです！完結したのでお楽しみいただければいいな…と思います！ありがとうございます！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: cfc1eef8b5 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです…ド性癖です…応援しております… (2019年6月19日 15時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年6月18日 0時
