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『……気色悪いのは、断然俺のほうだろう』
「……は？」
『なにするにもついてまわって、お前のこと全部気になって。……そのほうがずっと気持ち悪いだろ。普通は』
「俺はそんなこと」
ざあざあと、風が鳴る。俺はグルッペンをまっすぐにみた。赤くうつくしい、龍のひとみをまんまるにして、グルッペンは俺をみている。ふいに笑みがこぼれた。何故かはわからない、ただ、きれいだなと思ったのだ。俺をまっすぐにみる、その両の宝石が。
「俺お前が好きだ」
グルッペンが、ひく、とからだをはねさせたのがわかった。驚いたのか、嫌悪したのか、本当のところはわからない。……怖いな、と思う。グルッペンの気持ちを、俺がすべてわかることなんてない。どんな確証があっても、本当のところを外しているかもしれない。でも、だからこそ、はっきり口にしなければ、なにもかも伝わらないのだ。
傷つくことをおそれて、なにも口にしなくなったなら、そのときこそ俺は死んでしまうだろう。
『お茶のとき……、ちょっとごまかしちまって、悪かった。あれは……、察しついてたよな。馬鹿な嘘ついて』
「…………」
『お前が好きなんだ。俺は』
グルッペンの頬が、じわじわと朱に染まっていく。麻に藍をたらしたように、ゆっくりと。
『俺、うれしくなっていいのかよ』
「…………」
『お前も俺のこと好きなんだって、思っていいのか？』
「…………」
『黙ってちゃわかんねえ……』
風が鳴っている。すり足でグルッペンに近づく。風の音がうるさいせいで、俺が一歩踏み出し、靴が地面を擦る音も、ろくにきこえない。グルッペンの肩に手を載せて、その顔をのぞきこんだ。そうしてしばらく、あのとき庵でたまたまそうなったように、虹彩の模様まであらためられる距離でみつめ合う。そのうち、グルッペンが両目をぎゅうと閉じて、みがまえた。
『そんな反応されちゃ……、いじめてるみたいじゃん』
ゆっくり、
さぐるように、
……たずねるようにキスをする。
彼の口を、からだを、心をたずねていくように。そこから気持ちを届けるために。大事な言葉を、体温に載せて運ぶのだ。好きだという思いを。お前に触れたいという気持ちを。
触れるだけのキスだ。ほかにはなにもしない。でも長いあいだ、そのまま触れ合っていた。
グルッペンはいつのまにか目を開いて、俺のことをみていた。頬は赤いままだ。朱染めの、絹のような肌だ。
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暁 - こんにちは！好みドストライクの小説に死にました笑笑 よろしければ、番外編など書いていただけると、今後の楽しみになります← (2019年6月26日 17時) (
レス) id: 49acb176a2 (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - カロさん» リクエストありがとうございます！無事書けましたのでお知らせいたします。夢主気に入っていただけたみたいでうれしいです；！書いててすごく楽しいのでありがたいリクエストでした！読んでくださってありがとうございました！ (2019年6月22日 8時) (レス) id: 5ef018c5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カロ(プロフ) - すみません！リクエストで夢主くんとグルさんのイチャイチャが見たいです！お願いします！ (2019年6月21日 18時) (レス) id: d6860b933c (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - bhさん» わーいありがとうございます；；ほんと私の好きなもの無造作につめこんだだけの作品にそういっていただけでうれしいです！完結したのでお楽しみいただければいいな…と思います！ありがとうございます！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: cfc1eef8b5 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです…ド性癖です…応援しております… (2019年6月19日 15時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年6月18日 0時
