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『お前まで俺をそうやっていうのかよ。グルッペン』
「洒落だよ。わからんか？」
『いやわかんねーよ……。お前の洒落はいつも入り組んでて厄介だ。あとそれのどこが洒落なんだ』
「なんだかんだいって小山とかいう女子を振ったの悪いと思ってるんだろう。だから罪な男だっていったんだ」
『…………』
図星をさされて俺はぐうの音も出なくなる。そりゃ小山はうざったかったし小山の友人ら一同はもっとうざかった。だけど告白っていうのが相当勇気のいることだってのはわかる。振ることになって悪かったなという気持ちもないではない。しかしなんでこいつはそんなことがわかるんだ？……いや、そういう男だから俺はこいつが気になって仕方ないんだ。
『お前さあ、俺を追っかけてきたのか？ 俺が好きなのか？ からかうような真似して楽しいかよ？』
「お前が追いかけてきてほしそうな顔で俺をさんざんみていたんだろうが」
『…………』
「お前が俺になにかしてほしいとき、全部顔に出るの気づいてるか？ 目をみればわかるぞ。お前がなにを考えてるか、なにを望んでるか……」
『うっせーな気持ち悪い！』
グルッペンの追及に耐えられなくなった俺がそうやって怒鳴っても、グルッペンは萎縮したようすなく、小さく笑って首をかたむけた。挑発的なしぐさだ。
「お前が俺を好きなんだろ？」
グルッペンはそういって笑う。
そんなわけねーだろと俺は思う。思うものの、口に出せない。そんなわけない。そんなわけないはずなのだ。だがそれを主張できない。
進退きわまった俺のようすをみて、グルッペンがひそやかに笑った。
グルッペンとの出会いは高二の頭、クラスがたまたま一緒になって、席が前後だった。俺は、一年のときそうしたように、前後のやつに手当たり次第に話しかけていて、グルッペンは俺のうしろの席だったから、そこが初対面。
ほかのやつにそうしたように、とりあえず適当に世間話でも振るかと思いながらグルッペンのほうを向くと、やつが萩原朔太郎の本を持っていた。「月に吠える」ではない。そもそも詩集でさえない。よりにもよって「猫町」だ。
俺はそれをみて言葉を失ってしまった。ちんけな偶然だ。たまたま、俺の名前の由来がその詩人で、俺の両親は明治期の詩歌人が好きで家にそういう本ばかりがあって、俺は昔からそういうのばっか読まされて育ったがまわりにそんなん読んでるやつはひとりもいなくて、だからちょっと驚いたという、それだけの話だった。
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暁 - こんにちは！好みドストライクの小説に死にました笑笑 よろしければ、番外編など書いていただけると、今後の楽しみになります← (2019年6月26日 17時) (
レス) id: 49acb176a2 (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - カロさん» リクエストありがとうございます！無事書けましたのでお知らせいたします。夢主気に入っていただけたみたいでうれしいです；！書いててすごく楽しいのでありがたいリクエストでした！読んでくださってありがとうございました！ (2019年6月22日 8時) (レス) id: 5ef018c5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カロ(プロフ) - すみません！リクエストで夢主くんとグルさんのイチャイチャが見たいです！お願いします！ (2019年6月21日 18時) (レス) id: d6860b933c (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - bhさん» わーいありがとうございます；；ほんと私の好きなもの無造作につめこんだだけの作品にそういっていただけでうれしいです！完結したのでお楽しみいただければいいな…と思います！ありがとうございます！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: cfc1eef8b5 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです…ド性癖です…応援しております… (2019年6月19日 15時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年6月18日 0時
